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2008/01/25
【衆院予算委】集中審議 前原議員、暫定税率廃止後の環境税構想示す




 衆議院予算委員会で25日午後、世界同時株安を受けた経済・金融問題に関する集中審議が午前中に続いて行われ、副代表の前原誠司議員が中川正春議員に続いて質問に立ち、福田首相はじめ関係大臣の見解を質した。

 前原議員は、日本の経済成長率の下方修正の牽引となった原因は3つあるとして、(1)サブプライムローン問題、(2)原油高騰、(3)建築基準法改正の影響による住宅着工件数の激減を指摘した。

 特に、一連の耐震強度偽装事件を受けた建築基準法改正によって、建築確認の手続きや検査が厳しくなり、審査期間も長くなったため、住宅着工件数の激減が著しいことを問題視。こうした事態を予見できたかとの問いに、首相は「担当していたわけではないので、予見はなかった」などと無責任な答弁。冬柴国道交通大臣は「細心の注意を払って、周知徹底をはかったがこんなにも落ち込むとは思わなかった」とした。

 前原議員は昨年6月に同改正がなされたにもかかわらず、運用改善の助言が出されたのが8月であったことを指摘。政府の読みの甘さと重ねての対応の遅さが住宅着工件数の激減を招いたと分析。「人災、官製不況ではないか」と厳しい口調で批判した。

 そのうえで前原議員は、住宅着工件数を上向きにするための改善策として、耐震偽装に関わらない木造二階建てにまで改正を求めてしまっている現状の改善を提案。4号とされる木造二階建てについては、運用を改善すべきとの考えを示した。

 続いて、人口減少、少子高齢化傾向が顕著である上、自由貿易の恩恵をうけている日本はFTAやEPAの積極的な展開が必要だとの認識を示し、その前段として強い意志に基づくスピーディな農業改革の必要性を指摘した。

 さらには、教育費の対GDP費が経済協力開発機構(OECD)28国中下から2番目であるとともに、OECDによる学習到達度調査で日本は年々順位を下げ、一方で公共事業の対GDP費は第一位であると指摘。「道路特定財源を今後10年間も維持することは、果たしていい税金の使い道といえるのか」と述べて、政府与党の方向性を問題視した上で、国際競争に勝ち残る力をつけるためにも税金の使い道を変えることが重要だと指摘した。

 揮発油(ガソリン)税の暫定税率廃止の問題に関しては、「暫定税率を廃止し、ガソリンを下げて終わりとは思っていない」と語り、京都議定書遵守に向け、本則に戻して一般財源化し、環境税のような形への検討も視野に入れていることを明らかにした。
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