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2008/01/25
道路特定財源を一般財源化し、地方の自主財源実現へ 有楽町で緊急街宣を開催




 民主党国民運動委員会は25日昼、東京・有楽町で揮発油(ガソリン)税の暫定税率廃止と道路特定財源の一般財源化を掲げ、ガソリンをめぐる税制の抜本的改革を訴えるため、約300人の聴衆が足を止める中、街頭演説を行なった。

 高山智司遊説局長が司会を務め、「ガソリン税の暫定税率を廃止することが良いか、皆さんの率直なご意見をお聞きしたい」と、模擬国民投票として緊急街頭アンケートを行うと呼びかけた。

 続いて、小沢鋭仁国民運動委員長がマイクを握り、「いよいよ国会では予算委員会が始まり、ガソリン税について熱い議論が始まった。永田町には道路特定財源の維持を求めて道路関係の方が多く押しかけている。我々は街に出て皆さんからご意見を頂き、議論を充実させていきたい」と国民本位の政治を目指していくと訴えた。「国民の暮らしがガソリンの値上げで大変なのに、この税金だけはびた一文まけないで、道路を作り続けることが良いのであろうか」と厳しい口調で与党の悪政を批判するとともに「国民の生活を顧みない政治を変えていく」と気勢を上げた。

 次に鈴木克昌衆議院議員がマイクを受取り、元愛知県蒲郡市長の経験から、「今回はガソリン税を25円下げるというだけの話ではなく、日本の国の税金の使い道をどう変えていくかである」と、本質に切り込んだ。また、道路整備の財源の確保について鈴木議員は、「道路整備臨時交付金として揮発油税のうち4分の1を地方に交付されていたのを2分の1にすれば暫定税率を廃止しても問題はない」と説明し、地方の財源保障を可能にする法制化に向けて議論を深めていくことを訴えた。

 さらに、菅直人代表代行がマイクを持ち、冒頭、「道路特定財源の問題は日本の将来の選択がかかっている」と、国民から納められた税金を本当の意味で国民のために使うことができるるかどうかの岐路に立たされていると主張した。

 同時に菅代行は、トラック協会がガソリン税の暫定税率廃止に反対していることについて触れ、「暫定税率の税収の一部がトラック協会に補助金、交付金として各県から交付されている。そのお金で道路族議員のパーティー券を買っている。本来ならトラック協会は、軽油は安いほうが良いはずだが、道路特定財源の分け前に預かっているので国交省の言いなりになっている」と、道路特定財源を食い物にしている国交省と与党の道路族議員を徹底的に糾弾した。

 菅代表代行はまた、「道路特定財源を作った田中元首相の直系ともいえる小沢代表が、半世紀以上経った今の時代に合わないとして廃止を表明している。小泉、安倍両氏も廃止論者だったのに、なぜ、(小泉、安倍路線を引き継いだはずの)福田内閣は廃止するなと続けるのか」と、改革に逆行する福田政権を非難した。

 あわせて、「道路の整備も必要だが、病院の医師不足も深刻な問題である」と、一例を挙げ、「それらにかかる予算を議論するのが国会の場である」と主張した上で、「道路特定財源は道路以外では1円も使えないという理由で議論すらできない」と、道路特定財源の維持をもくろむ国交省と道路族議員が手を組んでいる現状を説明。一般財源化して開かれた議論の中で予算の使い道を決めていくことの重要性を説いた。

 さらに菅代表代行は福岡県八女市にある朧(おぼろ)大橋、別名「まこと橋」と地元では呼ばれている橋について触れ、「この橋は道路族のドンである古賀誠自民党選対委員長が建設したもので、橋を渡りきった先で道路がなくなっている」と語り、八女市部と久留米都市圏とを結ぶために建設された橋だが、橋の向こう側の道路は未整備だという税金のムダづかいの象徴のような現地に明日、視察に行くと言明。予算委員会での質問の材料にすると同時に、税金のムダづかいの実態を把握するとの考えを示した。

 そのうえで菅代表代行は、「官僚に勝てない自民党に成り代わって、5兆円を超えるこの道路特定財源を、国会を通さないで勝手に官僚や族議員が山分けしている構造をぶち壊す改革を行なっていく」と表明。本当の意味で自治体が自分たちで選択できるような地方の自主財源となるよう、道路特定財源を一般財源化し、国民の生活に必要な予算の使い方の実現へ全力で取り組む決意を表した。

 最後に高山議員が、街頭アンケートで暫定税率の「廃止」の意見が維持を大きく上回った結果を発表。川内博史「ガソリン値下げ隊」隊長が、「道路特定財源を一般財源化することは日本の政治そのものにメスを入れる真の改革になる。政府・与党は税金は自分たちの思う通りになると思っている。我々は税金をみんなのものにするために全力で戦う」と決意を表し、ガンバロー三唱で街頭演説を締めくくった。

 なお、「ガソリン値下げ隊」として大島敦、菊田真紀子、郡和子、太田和美各衆議院議員、轟木利治参議院議員らも参加し、ビラを聴衆に手渡し、支持を求めた。
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