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2002/02/26
【衆院予算委】前原議員、朝銀問題で全体解明抜きの税金投入を批判


 26日の衆議院予算委員会において、民主党の前原誠司議員が質問に立ち、朝銀信用組合の破綻をめぐる金融当局の対応について鋭く追及した。

 前原議員はまず、「朝銀の問題を十分に調査・確認せずに6231億円もの公的資金を投入したなら大問題だ」として、焦げ付いた融資の内容、金の流れなどを把握しているのかを質した。柳沢金融担当相は、資産査定して受け皿機関に引き渡すのは金融整理管財人の仕事だと逃げたが、前原議員は、無担保での追加融資や借名口座による架空融資など、朝銀の不正な融資の手口を指摘。さらに、その金が朝鮮総連に渡り、北朝鮮本国に送られていることを明らかにし、「犯罪行為によってどこに金が流れたかも確かめず税金を投入するなどというのは、けしからん」と政府の対応を批判した。

 同時に前原議員は、この問題が個人の犯罪として扱われていることに疑問を呈し、「たんなる業務上横領ではなく、組織ぐるみの犯罪として追及すべきだ」と述べて、政府の見解を質した。小泉首相は、朝鮮総連の深い関与や北朝鮮への送金の問題を認めた上で、「よく調査すべき問題だ」とした。

 さらに前原議員は、そうした調査によって問題の全体像を明らかにする前に公的資金を投入したことについて国民は納得すると思うか、と畳みかけた。しかし金融担当相は、「金融機関と貸出先の関係については追及するが、その先はできない」とし、首相も「今後よく調査する」と述べるにとどまった。前原議員は、「国民はとても納得できない」とし、同時に「テロ資金撲滅の取り組みも、この問題をおろそかにしたら意味がない」と厳しく指摘した。

 また前原議員は、この問題の被害者は日本国民と在日の方々だとし、民族系の金融機関を必要としている在日の人々が中心になって新たに設立申請している受け皿信組などについては、総連からの独立性をしっかり担保した上で許可したらどうか、と提起した。
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