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2008/01/31
【参院予算委】直嶋政調会長、道路特定財源の一般財源化を首相に強く求める




 参議院予算委員会で31日、2007年度補正予算案の質疑が行われ、民主党・新緑風会・国民新・日本の直嶋正行議員(政調会長)が質問に立ち、福田首相はじめ関係大臣に、いわゆる「つなぎ法案」に対する認識、道路特定財源のあり方等について質した。

 直嶋議員は冒頭、昨日30日、衆参両院議長のあっせんによって一応の決着を見た「つなぎ法案」への対応について、審議を省略し、民主党はじめ野党が反対するなか、衆院総務、財務金融両委員会で与党が強引に賛成多数で可決するなど、与党が暴挙を繰り返したことに関して、「審議の省略は法律審議権を犯すことになる、民主主義を犯すことになる」と述べ、福田首相に考えを示すよう求めた。

 これに対して首相は、「合意がなされ、正常化したことは結構」「合意に達したことを喜んでいる」「合意に至る過程における衆参両議長の労に感謝」などと繰り返すだけで、審議を省略しても法案成立ありきの手法に出た与党の暴挙にはあくまでも言及しなかった。これを受けて直嶋議員は「われわれは合意したが、法案を容認したわけではない」と一喝。数の横暴であり、まさに国会を、民主主義を破壊するものだと指摘するとともに、「参院の議論はいらない」と参議院無用論に繋がりかねない事態であったことにも危機感を示した。

 続いて道路特定財源の問題を取り上げ、まず、施政方針演説で地方への権限移譲、地方分権を加速するとした首相の真意を再確認した。そのうえで、道路特定財源はひも付き補助金の最たるものであると指摘。「中央集権システムそのもの。これを10年続けるのは地方分権推進と逆行するものではないか、地方の自主財源とすべきである」と述べ、暫定税率を10年間維持するとする政府与党の見識の誤りを指摘した。

 10年間で59兆円が必要とされる道路整備中期計画について、首相は「短期間で(道路)計画を作るのは困難だが、地方分権が進展する時には、必ずこの部分を見直して行かねばならない」と答弁。「地方分権と矛盾するのは確かにそう。地用分権を進めるうえでは見直す、整合性をとっていく」などと述べて、道路特定財源維持は地方分権推進と逆行するものであると暗に認めた。

 直嶋議員は、地方自治体が自らの権限で使える財源にすべきとの認識を改めて示したうえで、一般財源化することで各地方が抱える政策課題の解決にあてられるようになるのは有効だと提案した。また、国直轄で道路整備を行うのではなく、地方の事情に合わせた地方ニーズに即した道路整備を行うことで、道路整備中期計画において59兆円が必要とされる予算も大きく削減できるとの認識を示した。

 直嶋議員は暫定税率維持は国民の皆さんに2・6兆円の増税を強いることになる点にも言及するとともに、民主党の主張によって暫定税率廃止が実現すれば、この2・6兆円減によって1世帯あたり年間5〜6万円の減税に繋がると指摘。この減税効果は地方経済活性化を呼び込むとして、「総理、われわれの話にのらないか」と呼びかけ、増税してまでやる価値があるものなのか道路特定財源の必要性を見極め、国民の側に立った認識に基づき、「今やるべきことは何か」政府として方針を再考するよう首相に強く求め、質問を締めくくった。
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