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2008/02/06
【参院本会議】「生活者の観点が感じられない補正予算案に断固反対」米長議員
平成19年度補正予算3案に反対討論




 6日に開かれた参議院本会議で、民主党・新緑風会・国民新・日本を代表して米長晴信議員は、「平成19年度一般会計補正予算」「平成19年度特別会計補正予算」「平成19年度政府関係機関補正予算」に対する反対討論を行った。

 冒頭、米長議員は、先の国会において参議院で唯一否決をした新テロ対策特別措置法案(給油新法)が衆議院で再議決されたのに対し、参議院で可決した法案は衆議院では採決はおろか審議すらされていない状況を問題視すると同時に、「まさにこの状況は衆議院の数の力による暴挙」と非難し、『参議院の存在意義』が危機にさらされていると訴えた。

 また、道路特定財源の揮発油税を含む今年度末に期限が切れる日切れ法案も一括して審議する政府・与党の手法に対して、「補助金を必要としている地方への恫喝に当たる行為であり、地方分権の流れを完全に逆行させるもとである」と厳しく批判した。

 さらに米長議員は福田政権発足以来、景気が一向に良くならないことに言及し、その理由として、「もはや日本は、経済は一流と呼ばれるような状況ではなくなったしまった」とした大田経済財政相の他人事のような演説や福田首相の年金問題での「公約違反というほどの大げさなものか」という言葉などが市場の日本売りを加速させ、留まることなく国力低下をもたらしていると分析。「この責任は極めて重く、国民の代表としての不誠実さを断固として糾弾する」と、米長議員は訴えた。

 次に、日本をどこに導こうとしているのか全くわからない福田政権が提出した平成19年度補正予算3案に関連して、(1)選挙目当ての小手先の対応であるがごとく、高齢者医療費負担増の凍結を打ち出したが、制度そのものを抜本的に見直すべきである、(2)農政の失策といえる米価の大幅下落や制度導入から一年も経っていない「品目横断的経営安定対策」を見直す必要があること自体が問題であり、民主党提出の「農業者戸別所得補償法案」を成立させるべき、(3)税収の減額修正が極めて甘い見通しに基づいているうえ、「財政規律」を著しく軽視している――などの点から政府・与党の問題点を浮き彫りにし、補正予算3案に断固反対の姿勢を表明した。

 続いて、福田首相が先の予算委員会で、「早く補正予算を通してくださいよ」と語気を荒げて答弁したことについて、「対話を強調されてきたはずの総理の本音を垣間見て、愕然とした」と米長議員は述べ、予算の審議そのものを否定する首相の態度を、「到底容認できるものではない」と切り捨てた。

 最後に米長議員は、民主主義の原点は「寛容と忍耐」であると説き、「真摯に国民の声を聞き、痛みを汲み取ることのできる予算編成に向けて議論を交わさなければならない。その意味ではこの補正予算は生活者、消費者の観点がまるで感じられない」と指弾。その上で、「議会制民主主義の機能を完全に回復させるためには、来る総選挙で政権交代を実現させる」と決意を表して、反対討論を締めくくった。

 討論の後、採決が行なわれ、賛成101票、反対127票で同法案は否決された。
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