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2008/02/08
【衆院予算委】年金、道路特定財源の問題を追及 長妻議員




 衆議院予算委員会が8日開かれ、長妻昭議員が質問に立ち、中国製餃子中毒事件、消えた年金問題、道路特定財源の問題等に関して、福田首相らの認識を質した。

 冒頭、中国製餃子中毒事件に関して、昨年12月29日に千葉市の保健所に通報がありながら年末年始休暇のために通報確認が1月4日になり、さらに保健所による調査を求める被害者に対して「メーカーの調査を待つ」との観点で保健所独自の調査を行わなかった実情を指摘。問題発生に対する初期動作の遅れを問題視した長妻議員は、雪印乳業による食中毒問題も引用し、一日の対応の遅れが深刻な被害の拡大に繋がるとの認識を示した。

 その上で長妻議員は危険情報の公開を定めた危険情報公表法案を民主党が議員立法で提出していることを説明。「与党の反対で一度も審議されずに廃案になっているが、成立を目指すべき」として、福田首相に認識を質した。首相は「今後起こらないような体制をつくる必要があると思う。危険情報の法律も検討すべき」と答弁した。

 続いて長妻議員は消えた年金記録問題を取り上げ、年金記録台帳8億5000万件の照合を2年後に社会保険庁が解体されるまでに完了すべきとの認識を示し、以前からそう公約していた舛添厚生労働大臣に改めて明言するよう求めた。しかし、舛添厚労相は「問題意識は共有している」としながらも明確な答弁は回避。社会保険庁が解体すれば台帳が雲散霧消する危険性があると長妻議員は指摘して、重ねて2年以内の実施を求めたが、舛添厚労相は明言せず、首相も「今のスケジュールが一番いいと考える」などと答弁。長妻議員は現在の照合まで25年かかる現状を説明した上で、「2年でも長いくらい。あらゆる委員会で必ず言質をとっていく」として照合実現を引き続き目指して行く考えを強調した。

 また、衆議院厚生労働委員会の茂木委員長(自民党)が、厚労委理事会の合意や発言者の了解もなく、職権で議事録から長妻議員の発言の一部を削除していた問題を取り上げた。昨年10月24日の厚労委で「与党というのは、一度でも不祥事を追及したことがあるんですか、政府の」と発言した部分。長妻議員は「今は戦前・戦中なのかと疑いたくなる行動だ」として、言論弾圧ともいえる茂木委員長に抗議の意を表明した。

 長妻議員はさらに、「年金・医療・介護の現場を見て欲しい。悲鳴があがっている」として、年金・医療・介護の予算は削っても道路利権を守るべく、道路特定財源保持を貫く政府与党の姿勢を問題視。道路特定財源のうち3546億円の予算が天下り団体へ流れ、その総額の3%だけが競争入札にすぎない実態も指摘した。また、当初予算事業費の10倍以上に事業費が膨れ上がった例や道フェスタイベントに2300万円もの道路特定財源が使われている実態を列挙。「これだけ余っているならば一般財源化すべき」と述べ、必要とされるところに自治体の判断で使える自主財源化すべきとの党の主張の重要性を改めて明らかにした。

 同時に、国会図書館が作成した先進諸国との比較を示して、官僚の天下りを保持のためにできあがっている日本の社会「税金ムダづかいシステム」(長妻議員のホームページhttp://naga.tv/namashiryou/080208hatkz+kaikei.pdf参照)の現状を問題視。その大変換の必要性を首相に提起。その上で、「社会保障は削っても道路利権を守るということはやめてください」と、首相に重ねて釘を刺した。
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