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2008/02/19
【衆院本会議】田嶋議員、地方税質疑で官僚依存政治からの自立の必要性を主張




 衆議院本会議で19日午後、「平成20年度地方財政計画」について「地方税法等の一部を改正する法律案」「地方法人特別税等に関する暫定措置法案」「地方交付税法等の一部を改正する法律案」の趣旨説明と質疑が行われ、民主党・無所属クラブを代表して田嶋要議員が質問に立った。

 田嶋議員はまず、今日の日本経済、特に地方経済が極めて厳しい状況に置かれていることを指摘。住宅着工数の激減、サブプライム・ローン問題の深刻化、原油や小麦価格の高騰など経済のマイナス要因が強まっていることに加え、国会を二度も延長しながら国民生活と日本経済に対する無策ぶりをが国民の不安感と無力感を高め、そのことが内閣支持率や株価の下落も表れていると分析、政府の危機感のなさを批判した。

 その一例として、当初予測を9000億円も下回った平成19年度の国税収入を列挙。その結果、地方交付税の原資に約3000億円の不足を来たし、政府は昨年決めたばかりの地方交付税特別会計借入金の償還を、初年度から3年先送りする事態に陥ったことを問題視した。

 これに対して、福田首相は、地域間、規模間に差はあるとしながらも「地域経済は活性化している」として、経済政策に問題ないと強弁。額賀財務相も、税収見積もりについては自らの非は認めず「適切な見積もりに取り組んでいる」と主張。「借入金の償還先送りは今回限りか」との問いに対しては、「計画に沿った償還に努める」と答えるに留まり、政府の危機意識は全く感じられなかった。

 次に田嶋議員は、政府・与党が平成15年から進めてきた「三位一体改革」により地方の財政悪化を招いたと指摘。増田総務相は、「国と地方が歩調合せて歳出削減に取り組んだ結果」として、行政改革に懸命に取り組んだとの認識を示す一方で、急だったこともあり、財政力の弱い地方への配慮が欠如していたことを認め、税体系の抜本改革の必要性を述べた。

 地方交付税制度については、「本来地方交付税制度そのものが地方の財源を保障し、財政を調整するために存在するもの」との見解を示したうえで、現在の制度では都市と地方の格差を調整しきれていないと指摘。福田首相からは、「地方分権改革における国と地方の役割分担に応じて自主的な税財源を確保するとの観点から検討することとなる」と具体的な改革の方向性は示されなかった。

 田嶋議員は、民主党は「ひもつき補助金廃止法案」で地方を真の意味で国のコントロールから解き放ち、将来的は格差税制に“より”配慮した財政調整制度を創設すると説明。また、道路特定財源の一般財源化が広く日本の産業や生活者にとって減税策となるとともに、世帯あたりの自動車台数の多い地方に対する地方再生策となることを強調した。 
 
 そのうえで、道路特定財源については、10年という長期にわたり道路だけの特定財源を固定化させることの意義を追及。世論調査の結果では、多くの首長が大合唱する「道路特定財源の維持を支持する国民は約1割である」と述べ、福田首相が所信表明の中で示した「国民本意の制度」にあたらないとして、考えを改めるよう質した。

 最後に田嶋議員は、官僚依存症の政治から「自立」を取り戻す必要性を主張。社会保険庁、薬害肝炎、障害者対策、建築基準法、防衛省の不祥事、医師不足など山積した問題を解決するためには政権権力を返上するよう強く求めて質問を終えた。
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