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2008/02/21
【衆院予算委】道路特定財源ムダづかいの本丸、天下りの実態を追及 細野議員




 細野豪志議員は21日午前、衆議院予算委員会で質問に立ち、道路特定財源からのムダづかいについて福田首相、冬柴国土交通大臣に見解を質した。

 細野議員はまず、道路特定財源が卓球のラケット、マッサージチェアをはじめとする国交省関連のレクリエーション費等に充てられていたことに言及。これらの事実が権力の外にいる野党の追及によって明らかになったことに対して、改革の意識の全くない政府・与党の姿勢を批判した。そのうえで、これらのムダづかいは氷山の一角に過ぎず、「天下りこそが本丸である」と述べ、平成18年度における道路整備特別会計から天下り団体への支出の実態として、56団体に1288人が天下り、1890億円が支出され、そこでの埋蔵金(資産−負債)が約8兆円にも及ぶと指摘。(1)財団法人道路保全技術センター(2)社団法人国際建設技術協会(3)財団法人駐車場整備推進機構――の3団体について具体的に問題点を挙げ、改革を迫った。

 財団法人道路保全技術センターについては、約82億円の税金が注入され、合計306件のうち305件は随意契約で仕事を受注、天下りの役人が46人、うち常勤の役員が3人、1500万円を超える給与を得ている実態を明かした。さらに、税金で成り立っている団体であるにも係らず24億円もの現金預金に加え、内部留保が事業費に占める割合が42%と閣議決定違反でもあるとして、冬柴国土相に「国民の皆さんに返すように」と要請。さらに、未収金の受託事業分約77億円に対して委託調査研究費等の未払金が60億円と、買収率が80%にも上る外注会社に丸投げしている実態について、同団体には技術者が100人と少なく、年間306件の仕事を受けられる態勢になっていないことも明かしたうえで、「どこに仕事を投げているのか情報公開を」と強く求めた。これに対して冬柴国土相は情報公開することを明言、機関の在り方自体を検討していく考えを述べた。

 社団法人国際建設技術協会については、「海外の道路関係制度に関する調査」及び「海外の道路関係情報等に関する調査」の作成にあたり、それぞれ約1億円、6000万円もの経費が計上されていることを指摘。インターネット辞書「ウィキペディア」を多用したもの、前年度の報告書を流用したものと、報告書の内容のお粗末ぶりはさることながら、報告書作成の諸経費見積もりの積算基準が、土木事業に係る設計業務等に適用するものであることに言及。その業務内容が明らかに違うことを述べ、「予算責任執行法3条」違反ではないかと追及した。福田首相は「ご指摘の通りであればあってはならないこと」と他人事のように答弁し、厳正に対応していくとの方針を示しはしたが、このような事態を看過した政府の責任については全く反省の姿勢を見せなかった。

 財団法人駐車場整備推進機構(JPO)については、JPO直営駐車場建設と管理業務員の実態を示し、全14箇所中11箇所の所長が国土交通省からの天下りであるほか、天下りするために駐車場を建設するというその仕組みがあると指摘。冬柴国土相は「徹底して調べる」と答えるのが精一杯だった。細野議員は最後に、このまま天下り天国、税金の墓場を許すわけにはいかないとして、税金を国民の手に取り戻すためにも徹底して道路特定財源の一般財源化を求めていく決意を述べ質問を終えた。
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