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2008/02/22
石破防衛相に対する問責決議の前に事故原因究明を徹底的に 簗瀬参議院国対委員長




 簗瀬進参議院国会対策委員長は22日午後、国会内で定例の会見を行い、日銀総裁をはじめとする同意人事のあり方やイージス艦衝突事故に伴う石破防衛相への問責決議の取扱い、参議院での議員立法の提出などについて、記者団に語った。

 はじめに簗瀬参議院国対委員長は、予算審議の主戦場となっている衆議院予算委員会をはじめとする3委員会について、大変緊迫した状況で論戦が繰り広げられているとの所感を述べた。その上で「参議院としてはしっかりとバックアップする対応をしていく」と、参議院での予算審議の場で論戦に挑む準備をしていると語った。

 次に同意人事の所信聴取について、両院の議院運営委員長が公開の場で行う方向で話しがなされているとの質問に対して、簗瀬参議院国対委員長は、個人的にはと前置きした上で、「米国議会では人事について活発な質問を行っている光景を良く見るが、日本もその方向に向かうことが自然の流れだと思う。特に重要なポジションについては、国会の表舞台で堂々と議論する。それを国民はリアルタイムでみて判断する姿が望ましい」との考えを表した。

 続いて、先般「閣法を参議院先議では基本的に取り扱わない」と国対での一定の方針を出したことにつき、その後の考えを問われたことに対して簗瀬参議院国対委員長は、閣法も議員立法も対等であるとの基本的な考えに立って、「我々が参議院第一党になり、今国会は先の臨時国会での『法案の嵐』を超えて、『法案の津波』作戦で臨む」と意気込みを述べると同時に、「しかしながら頑なに参議院先議を受けないということではなく、『法案の津波』作戦と整合性の取れた形で結論を出していく」との方向性を示した。

 またイージス艦の衝突事故に伴い、石破防衛相の責任と問責決議の取り扱いについての質問に対して、「非常に重要な関心を持っている。しかし、第一に被害に遭われた方の救出と、原因究明を行なわなければならない」と厳しい面持ちで述べた。

 さらに「見張りが漁船を発見して手動操縦に切り替えるまでの11分の空白は何だったのか。回避活動も出来たはずである。加えて海上衝突防止法の観点から見ても法律違反の問題も出てくるのではないか」と様々な点で起きる疑問を呈し、原因究明と何故誤った対応になった実態の解明をまず行い、その上で問責決議の取扱いについて検討するとの考えを明らかにした。

 簗瀬参議院国対委員長は石破防衛相の「被害に遭われた家族が『政争の具にしないで欲しい』と言っていた」と自らが発言したことについて言及し、「非常に違和感を覚える。責任回避をしているようにしか聞き取れない」と批判した。加えて吉川・海上幕僚長が事故を受けて更迭されることについての質問にも、「責任論が大臣まで行くのを早手回しにガードしようとしたと思われても仕方がない」との防衛相の体質に対してあきれるように語った。

 最後に簗瀬参議院国対委員長は、『法案の津波』の目玉として「租特透明化法案」と「予算機能転換法案」を挙げ、「財政民主主義の基本にこの国は立っているのか。本当に国民のためにお金が使われる仕組みが確立されているのかと、問いかける法案である」と説明した。提出時期などについては状況を見極めて対応を行なっていくとの見通しを示した。
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