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2008/02/26
【衆院予算委】国民の視点で「消えた年金問題」を追及 長妻議員




 長妻昭議員は26日、衆議院予算委員会の社会保障問題に関する集中審議で質問に立ち、「消えた年金問題」などを中心に首相および関係大臣の認識を質した。

 冒頭、長妻議員は「茂木委員長に厳重に抗議申し上げたい」と表明。昨年10月24日の衆議院厚生労働委員会で「与党というのは、一度でも不祥事を追及したことがあるんですか、政府の」と長妻議員が発言した部分を茂木委員長(自民党)が厚労委理事会の合意や発言者の了解もなく、職権で議事録から削除していた問題を再び取り上げた。「いまだに回復していない」と厳しい口調で批判し、回復を強く求めた。

 続いて、戦前・戦中の消えた年金問題だとして「旧令共済」の問題を取り上げた。戦時中に旧日本軍の工場などで働いていた際の「旧令共済」と言われる年金記録の確認を社会保険庁に求める申し立てが急増している現状を踏まえ、長妻議員が納付記録の保管方法などを確認した。それに対して額賀財務大臣は「加入記録の保有状況をきちんと把握するように指示したところ」などと答弁し、対応の遅さを露見させた。長妻議員の「今から探すのか?いつまでに探すのか」の重ねての問いにもあいまいに答弁。それを受けて長妻議員は「あまりにも冷たい、戦前、戦争中と一生懸命働いた方々の記録を探すことすらしないのか」と迫り、ねんきん特別便と同様に、政府が主導して記録を探し、該当者に通知する形を整えるべきだとの認識を示し、早急な対応を政府に求めた。

 同時に、公務員の場合だけ、旧令共済の加入記録が共済年金に引き継がれている状況も問題視し、「官尊民卑だ」と長妻議員は批判し、この点についても見直しを要請した。

 消えた年金記録の問題については、3月末には決着をつけるとしていた政府の公約でもある紙台帳との統合が現時点において5095万件中7%しか統合されていない現状を明らかにし、同じペースでいけば全データの統合までには13年も要してしまう現状を浮き彫りにした。そのうえで、国会で議論を重ねても不毛だとの認識を示し、そもそも「社会保険庁や厚生労働省にまかせている現行体制では永遠に解決できない」と指摘。「もっと言えば、今の政権では解決できない。早く下野してほしい」とも言及し、民主党主導での大改革なくして問題解決には繋がらないとの認識を示した。

 長妻議員はさらに、国民年金加入者で自営業者の割合が3割を切り、パート・アルバイトの加入が倍となった現状等を踏まえ、制度の維持・年金支給の明確化等の観点からも公的年金の一元化の必要性を改めて指摘し、一元化への検討を首相に求め、首相からは、「国民年金を含めた一元化は検討すべき課題であると思っている」との答弁を引き出した。
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