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2008/03/12
参本会議の結果は同意人事制度における新しい歴史的な第一歩 簗瀬参議院国対委員長




 簗瀬進参議院国会対策委員長は12日午後、国会内で定例の会見を行い、日銀総裁人事における民主党の対応ならびに参議院予算委員会の審議再開にあたっての考え方について、記者団に語った。

 はじめに簗瀬参議院国対委員長は、同日午前に行われた参議院本会議で日銀総裁・副総裁人事の採決が行われ、武藤総裁候補と伊藤副総裁候補が不同意となったことを受けて、「これまで国会に同意人事制度がありながら形骸化されていた。重く反省しなければならない」との認識を述べる一方、民主党が参議院第一党になったことで同日の結果となったことについて、「日本の同意人事制度についての新しい歴史的な第一歩となったと受け止める」と所信を聴取して質疑、判断した上で採決に至った形を作れたことを評した。

 また今後の重要な同意人事案件についても、「霞が関の官僚の掌の中で動かされず、国会が民主的な決定にしっかりと関与している状況を作ることが、官僚主権から国民主権の国家へと変わっていくことになる」との考えを示した。

 さらに日銀総裁空白論について簗瀬参議院国対委員長は、「空白はない。日銀の規定で総裁不在の場合、副総裁が代理となる」と明確に否定。「我々は単なる政局の具にしないとメッセージを発信しているにも拘らず、政府・与党は政局に絡めて提示を遅らせ、さらにその案が不同意と予測される中で、敢えて民主党の内部的な混乱を引き起こそうと画策した非常に姑息な対応に怒りを覚える」と厳しい口調で政府・与党を非難した。

 次に簗瀬参議院国対委員長は、参議院予算委員会の立ち上がりについて、明日、明後日総括質疑を行うこととなったことを報告。その上で、「これ以上予算を空転させていく時間的余裕はない。明日から濃密な審議を行っていきたい」とし、隙間なく予算委員会を開き集中的に審議を行う方針を示した。

 最後に予算関連法案の年度内成立が厳しい現状との質問に対して、「与党が衆議院本会議で野党欠席の中で予算案を強行採決した訳で、時間のリスクを負うのは与党である」と切り捨てた。その上で、3月末を大きな政治決戦の場面と位置づけ、今後の国会運営での対応を決めていくことを明らかにした。
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