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2008/03/14
【参院予算委】道路特定財源の一般財源化改めて主張 林議員




 林久美子議員は、参議院予算委員会で14日、道路特別会計からの無駄遣いを指摘し、特別会計の廃止、一般財源化を改めて求めた。また、消えた年金記録問題の進捗状況も質し、さらに、弱視者用の拡大教科書の普及につとめるよう求めた。

 林議員は「教育関係の予算が減り、医療が崩壊する現状で、なぜ道路だけを特別会計で造り続けるのか。国民の理解は得られない。これだけ無駄遣いが明らかになっている以上、特別財源がなければ道路は造れないとの主張は破綻している。他に充当すべきだ」などと主張、道路特定財源の一般財源化を強く求めた。福田首相は、自動車ユーザーの理解が得られないとする従来からの答弁を繰り返して拒否した。

 まず、無駄遣いの象徴的な例として、国土交通省所管の50の公益法人のうち22の法人で、職員の旅行費用を負担していた事実を明らかにした。これらの公益法人への国交省の発注が随意契約であり、その根拠が「専門的知識・特殊技術を有するため」であることも確認した。

 例として「財団法人公共用地補償機構」に言及、平成18年度、国交省から13億3000万円を全て随意契約で発注したこと、契約22件中14件は「高度・特殊な専門性が必要」という理由で、機構が下請けに出したこと、しかも金額にして7割8割の業務が出されていることを指摘した。

 さらに、衆議院予算委員会の質疑でも取り上げられた「社団法人国際建設技術協会」による報告書(3部で1億円)の具体的な活用方法を質した。平井国交副大臣は「海外の道路管理状況の参考」と答え、「実物は見ていない」として実際には役に立っていないことを暗に認めた。林議員はこうした無駄遣いが生ずるのは、特別会計の性格や公益法人のあり方そのものに原因があるとして、その廃止を主張した。

 消えた年金記録問題については、5000万件のうち現在までに約3000万件しか統合されていないことを確認。ねんきん特別便などを通じて訂正された年金について、正しい年金の支払いがいつからになるか質問した。舛添厚生労働大臣は「今年7月の感じです」とあいまいに答えたため、林議員は、首相に遅くはないかと追及。福田首相は「昨年7月5日のシナリオに沿っている。真剣に取り組んでいる」と答え、3月末までの解決の公約無視の実態を無視した。

 なお、午後の予算委員会再開冒頭、鴻池予算委員長は、松島国交副大臣の午前中の態度について委員会を軽視したものであると表明、委員会への出席を禁止した。松島副大臣が委員長の制止を聞かず、質問と関係ない自説を長々と答弁したため。
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