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2008/03/19
官僚支配から国民が主役の政治に変えるため、政府の人事案は呑めない 鳩山幹事長


 鳩山由紀夫幹事長は19日午後の衆議院本会議終了後、国会内で日銀総裁人事について記者団に語った。

 冒頭、鳩山幹事長は参議院本会議で田波日銀総裁候補を不同意としたことに対して、「国民の暮らしのことを考えれば不同意になってよかった」と率直な感想を述べた。

 また、この結果、日銀総裁のポストが空席になったことに対して、「19日に任期が切れることは最初からわかっていたにもかかわらず、直前の7日まで何も候補者を決めてこなかった責任は政府にある」と任命権者である政府・与党の対応を批判した。

 さらに鳩山幹事長は、「財務省に官邸がコントロールされ、財務省のトップをやっていた人間でないとだめだと言わんばかりの人事が続くことでこの国が歪められてしまっていいのか」と怒りをあらわにすると同時に、「官僚主導の政治から国民が主役になる政治を作るのが民主党の闘いであり、このような人事案に賛成できるわけがない。一国の総理である福田首相が財務省にコントロールされていることが残念である。もっとしっかりしてもらわないといけない」と猛省を促した。

 また与党側から事態の打開に向け、党首会談を呼びかける声があるとの質問に対して、「本当に必要ならば協力のための協議は必要であるが、案をのめというための会談であれば開く必要はない」と本質を説いた。

 次に鳩山幹事長は道路財源を巡る修正協議を呼びかける動きが与党側からある場合の対応を問われ、「根本的な考え方の違いがあるので、我々が譲歩することは国民のことを考えればあり得ないが、道路特定財源の一般財源化、暫定税率の廃止を基本とした考えを与党側が示せば、それ以外のところで譲歩することはできるだろう」との見解を表した。

 最後に鳩山幹事長は、日銀総裁ポストの空白に対する影響について、「間違った人事で5年間国益を損ねることの方が、はるかに国民にとって不幸である」との認識を示した。

 また福田首相が人事案について「民主党の考え方を聞きたい」という一方、町村官房長官は「民主党の考えに沿うような人事はできない」と言っていることに対して、「全く矛盾している。官邸の中でこのような矛盾が続いているうちは福田内閣の漂流は続くのではないか」とまとまりのない、無為無策の福田内閣を非難した。
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