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2008/03/21
日銀総裁人事空白をめぐり政府・与党の責任転嫁を批判 鳩山幹事長




 鳩山由紀夫幹事長は21日午後、党本部での定例記者会見で、日銀総裁人事をめぐり、総裁空席は民主党の責任とする政府・与党の対応を痛烈に批判した。

 鳩山幹事長は、日銀総裁人事案件について、「国民の暮らしを考える上で重い人事であり、正しい選択をしなければならないと真剣に検討してきた」として、「政争の具、政局にする考えは全くない」と強調、政府・与党の根拠がない指摘に不快感をあらわにした。

 また、福田首相が自身のメールマガジンの中で「拒否権をふりかざし、時間切れに追い込むような態度だけでは国民に対する政治の責任は果たせない」と民主党を批判したことに言及、「お門違いも甚だしい」と指弾した。

 そのうえで鳩山幹事長は、改めて政府が提示した日銀総裁人事案に対する不同意の理由として、武藤氏は大蔵省時代に日銀の独立性に真っ向から反対し、財務省としては最も送り込みたい人物であろうこと、田波氏は、大蔵省、財務省時代に不良債権の処理を完全に誤った人物であり、両氏とも国際金融に関して素人であること―を列挙。日銀総裁の空席については、望ましくないのは承知のうえで、国民生活に直結するポストへの就任はふさわしくないと判断、空席を避けるために同意することにより、間違った人事で5年間国益を損うことがないようにと、苦渋の選択の結果であったと説明した。また、民主党に責任転嫁をする福田首相の対応を批判、空席が解消されるように早急に次の人事案を提示すべきであると要請した。

 記者団から、揮発油税の暫定税率維持を含む租税特別措置法改正案など税制関連法案について、自民・公明両党からの修正協議の呼びかけへの対応について問われると、修正案の提示がないことを明かしたうえで、「しっかりとした議論を通じて世論に訴え、正しく処理していきたい」との考えを表明。一方、自民党内部においてもこの修正協議をめぐっては「世論形成のためのパフォーマンスとしての働きかけ」との声が上がっていることを指摘、「このような状況の中で応じるわけにはいかない」と断じた。また、与党側が衆院での強行採決をとった時点で、「両院議長によるあっせん案が反故にされた」と改めて述べ、民主党としては「国と地方のあり方の根本が問われている問題」との認識の下、税の抜本的見直しの議論を求める方針を明らかにした。
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