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2008/03/28
【参院予算委】暫定税率廃止に伴う2・6兆円減税は国民生活に重要 櫻井議員 




 櫻井充議員は28日、参院予算委員会で締めくくり総括質疑に立ち、同委員会筆頭理事としての所管を述べたうえで、「ガソリン税を下げることは必ず国民のみなさんにとってプラスになると確信している」と改めて表明し、その実現のためにあらゆる方策を使うのは至極当然だとの見解を示した。極めてきびしい国民生活を考えると減税こそが重要だとも述べ、日本経済の現状を認識した政策を講じる必要が政治に求められるとした。

 そのうえで櫻井議員は、道路予算が減ると道路建設関係者の生活に支障をきたすとの認識を答弁で示した首相に対して、ガソリンの暫定税率分を引き下げは2.6兆円の減税となり、消費拡大にも向かうとして、「2兆6000億円が道路建設に回っていくのか、減税として恩恵を受けるかの差である」と指摘。民主党はガソリン税の減税による消費拡大効果に注目しているとした。

 櫻井議員はまた、日本経済はデフレから完全に脱却していないとの認識を示し、そうしたなか、生活必需品は物価上昇に転じていると分析。これが家計を圧迫する要因となっているとも述べ、現状において政府がとるべき対策は金融政策か財政政策のふたつしかないと語った。また、ゼロ金利政策を続けてきた結果、負の側面も多く出てきていると指摘し、年金積立金の運用が悪くて利回りが落ちているため、年金保険料率を引き上げざるを得ないといった現状などを列挙。「これはすべて国民生活に影響を及ぼしている」と語り、今後は財政政策しかなく、やるかやらないかは国の責任だとして、財政出動の必要性に言及した。

 さらに、従来の財政出動はやり方が悪かったとの認識を示し、今後は従来型の公共事業への投資ではなく、伸びて行く産業を見極めた投資が重要だとした。そのうえで首相にどのような国にしたいかビジョンを質したが、福田首相は総花的に列挙するだけだった。

 櫻井議員は続けて、先進国中で最低水準となっている日本の医療費の問題も取り上げ、政府が公的医療費の給付抑制を続けてきた結果、医療の現場は崩壊しつつあるとの認識を示し、効率的に医療が確立していた従来の形に戻すよう、給付抑制を再考する必要性を提示。あわせて、介護・医療分野を発展が期待できる産業としてとらえていくべきだと提案した。

 それに対して福田首相は「社会保障に関する国民会議」で出た結論に順ずると述べ、主体的な考えは何ら示さなかった。
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