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2008/03/31
反故にされた「消えた年金」3月末政府公約 謝罪・正しい対策実行を政府に求め会見
年金記録5000万件のうち統合できたものはたった417万件 わずか全体の8%


 「消えた年金」問題に関して「最後の一人、最後の1円まですべて解決する」とした政府公約の期限である31日、直嶋正行政調会長、長妻昭『次の内閣』ネクスト年金担当大臣、山田正彦ネクスト厚生労働大臣、原口一博ネクスト総務大臣、蓮舫ネクスト年金担当副大臣、山井和則厚生労働副大臣は党本部で揃って発言。公約を反故にした政府に対して、「公約違反を認め、正しい政策を実行せよ!」として、国民にとって大きな関心事であるこの問題に関して、公約が守らなかったことをまず謝罪し、従来から民主党が指摘している国民の視点に立った正しい対応を政府に改めて求める会見を行った。

 説明に立った直嶋政調会長は「政府は3月末までに消えた年金問題について様々な公約をしてきた。しかし、結果として守られなかった」と前置き。「率直に公約が守られなかったことを謝罪すべきであり、謝罪した上で新しいやり方で根本的な解決に当たる必要がある」とも指摘し、政府が公約が守られなかったことを率直に認めて謝罪しない限り、新しいやり方が採用できず、これまでのやり方が続くことになり、結局この問題は解決できないとの見解を明示。「結果的に多くの国民のみなさんにご迷惑をかけることになる」と語り、政府に対して、謝罪したうえでの新しい「消えた年金」問題解決への対策への着手を強く求めていくとした。

 直嶋政調会長は政府・自民党の公約とその対応についても言及。公約については「政府・与党は今後1年間で全ての統合を完了する。今後1年で問題解決・全額支払い、今後1年で未確認の年金記録5000万口の名寄せをすべて完了する」とした2007年の自民党の参院選前のビラ、「11月くらいまでにプログラムを組んで来年3月くらいまでに完成させるというスケジュールに基づいて、最後の一人、最後の一円まで確実にやる」とする07年8月28日の舛添厚生労働大臣の記者会見発言等を列挙した。

 あわせて、政府は名寄せできた1030万人(1172万件)への「ねんきん特別便」の発送をもって公約は守られたとしているが、記録が結びつくと思われる人は、この1030万人以外にも存在することを政府自身も認めていることも取り上げた。

 そして、結果として3月14日現在で年金記録5000万件のうち統合できたものはたった417万件、わずか全体の8%に過ぎない(下記ダウンロード参照)と直嶋政調会長は強調。「従来から民主党が申し上げている根本的なやり方を変えない限り、全体の記録回復はむずかしい」と問題提起した。

 そのうえで対応策の第一として、「8・5億件ある紙台帳とコンピュータデータを照合して記録を正しくしていくことが不可欠である」と述べ、しかし、現状としては平成20年度の予算措置では8・5億件のうち3300万件の紙台帳との照合分しか計上されていない点を取り上げ、このペースでは25年を要してしまう点も問題視した。

 「今すぐ、民主党が求めてきた根本的な対応をとらなかれば、とても年金記録の回復はおぼすかない。今日、この結果をもたらしたのは政府の失政である」とも述べ、国会の場を中心に追及していく考えを表明した。また、「舛添大臣の責任は非常に大きいと思っている。公約違反であるということも考えると問責に値する」とも語った。

 続いて説明に立った長妻議員は、この問題が明らかになった時点で社会保険庁が隠蔽することなくきちんとした対応していれば、問題解決に繋がったのではないかとの見方を示したうえで、民主党がかねてから主張する年金通帳を導入し、個人の記録を管理してくれば、こうした事態は招かなかったとした。

 長妻議員は政府が発送した「ねんきん特別便」の不備にも言及し、対応策の第二として、(1)「ねんきん特別便」に抜けている記録そのものを工夫して載せる、(2)回答のない方や「訂正なし」との回答に対し電話や訪問で紹介・確認を行うべきであると指摘した。

 さらに、社会保険庁にまったく記録がなく、ご本人の領収書等で記録訂正ができた「消えた年金記録」が1541件が明らかになったこと、さらに、「消えた年金記録」を回復する第三者委員会には8カ月で約5万件の申し立てがあったが、審査は1割しか済んでいない点も取り上げ、対応策の第三として、圧倒的に人手不足の現状を改善し、他省庁や民間の協力を得て国家プロジェクトとして取組み、審査事例をデータベース化して公表し、同様の事例を広く求めるようにするべきだと問題提起した。
関連URL
  【ネット中継】「年金記録問題に関する政府・自民党の公約違反について」記者会見
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=12980
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