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2008/04/07
【参院予算委】「宙に浮いた年金記録問題」国民にツケを回す政府の姿勢を批判 内藤議員




 民主党・新緑風会・国民新・日本の内藤正光議員は4日午前、参院予算委員会の年金と経済に関する集中審議で質問に立ち、政府が公約していた「宙に浮いた年金記録問題」の3月末までの解決が実現されなかったことについて、福田首相、舛添厚労大臣に見解を質すとともに今後の対応策を確認した。

 内藤議員ははじめに、3月14日に社会保険庁が発表した「宙に浮いた年金記録問題」の分析結果と政治責任について質問。政府は、3月末までの全面解決を公約していたにもかかわらず、名寄せできたのは5095万件のうち統合済みの記録は417万 件、全体のわずか約8%に過ぎない実態を明示。そのうえで、公約を実現できなかった責任を追及、さらにはコンピューター上記録の内容が分かったとする「解明」と「解決」を混在して使用、同一人物のものと見られる重複分を「解明」に分類するなど、国民に誤解を与えているとして、「言葉の偽装ではないか」とその姿勢を批判した。これに対して、福田首相は「昨年夏の(参院選の)段階で全面的に解決するような誤解を与える説明もあった。過分な期待を持たせたことはおわびしなければならない」と陳謝。舛添氏も「ばら色の夢を与えたことを謝罪し、政府、与党として国民に謝らなければならない」と表明、早期解決に全力を尽くすと述べた。

 次に、解明済みとされている記録の中に、死亡届が出されているものについて遺族年金が支給されているかが不明であるほか、脱退手当金をめぐっても「給付されていない」「手続きをした覚えすらない」といったトラブルが数多く発生していることを問題視し、見解を質した。舛添厚労相は、「ねんきん特別便」を送付する過程で明らかにしていくとの考えを述べるとともに、新たなプログラムを組む必要性を主張、「優先順位をつけて調査、10月までに答えが出てくると思う」と、努力過程にあることを強調した。内藤議員は、「優先順位では済まされない」と指弾し、サンプル調査を早急に実施するようにと求めた。

 全員を対象とする「ねんきん特別便」の発送にあたっては、市役所、町役場など1600の自治体全てに相談窓口を設置、社会保険労務士を増員するなど相談体制を強化、内容に応じても相談先を使い分けることで効率を上げるべきだとして、より一層の体制の充実を要請。加えて、社会保険庁のずさんな管理が原因であるにもかかわらず「宙に浮いた年金記録問題」に関して、約2000億円が一般財源から投入されていると指摘、誰一人として責任を取っていないことと併せて「全てのツケを国民に回している」と厳しく批判した。また、委員長に対して、歴代の社会保険庁長官の参考人承知及び責任の明確化を図るよう求めた。

 内藤議員は最後に、4月より導入された後期高齢者医療制度に言及。高齢者が一定の収入がある息子(娘)夫婦と同居すると保険料が一挙に4倍程度にまで大幅アップする制度設計について、「一人で暮らせということか」と非難。同制度の開始に伴い、年金からの天引きも始まる点にもふれ、「年金問題」について誰も責任を取らず、問題解決していないにもかかわらず、負担だけを強いる福田内閣に対して、強い怒りと疑問を投げかけて質問を終えた。
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