9日午前の衆議院厚生労働委員会で、党提出「介護労働者の人材確保に関する特別措置法案」(介護人材確保法案)の審議が始まり、発議者を代表して三井辨雄議員(党厚生労働部門医療介護改革作業チーム顧問)が趣旨説明を行った。
三井議員は「2003年、2006年の2度にわたる介護報酬の引き下げにより、介護従事者の賃金低下に起因する人手不足がますます深刻化し、労働条件は悪化するばかりだ」と介護現場の問題を指摘。
介護の勉強に励み、高い志をもって介護に関わる職に就いても、賃金が低くて生活が成り立たず、仕事を辞めざるを得なくなる実態に言及し、「介護サービスを支える人材を確保できない状況では、介護保険制度そのものの基盤が揺らぎ、『介護の社会化』という介護保険制度の理念を実現できなくなる」と危機感を示した。
また「介護を担う優れた人材を確保し、介護サービスの水準の向上を図るため、他の業種に従事する労働者と比較して低い水準にある介護労働者の賃金を向上させる特別措置を定めることが必要」と主張、「介護労働者の人材確保のための介護報酬の引き上げは、来年度まで先送りする猶予はなく、待ったなしの状況だ」と訴えた。
法案は、介護労働者の賃金を一人あたり月2万円引き上げるよう措置するため、介護労働者の平均賃金の見込み額が認定基準額を下回らない事業所を認定し、認定事業所に対して介護報酬額を加算することを定める内容。第168臨時国会へ提出され継続扱いとなっていた。
なお同日、内閣提出「介護保険法・老人福祉法案の一部改正案」の趣旨説明も行われた。
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