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2008/04/09
渡辺氏不同意は天下り構造を変えるためのきっかけ 簗瀬参院国対委員長




 簗瀬進参議院国会対策委員長は9日午後、国会内で定例の会見を行い、日銀総裁人事ならびに年金、道路問題をはじめ今後の国会日程や道路財源の修正協議について、記者団に語った。

 はじめに簗瀬委員長は、同日本会議で日銀正・副総裁同意人事案件の採決が行われたことについて、「白川さんが総裁になられたことは大変良かった」との感想を述べた。また「今までの財務省とのたすき掛け人事が明瞭に払しょくされた中での新しい日銀のスタートが白川氏によって始まることは喜ばしい」と語った。

 また、副総裁人事についても、「財務省が日銀を自らの天下り体系の一つとして位置づけてきた長い歴史があったが、『財金分離』という考え方を3度貫かせてもらったことは、国民にとって我々の姿勢が明快に伝わる結果となった」と渡辺副総裁に不同意としたことを評価した。

 さらに、我々民主党が「財金分離」を主張し、2度にわたり人事案件を不同意としたにも拘らず、福田総理は3度目も「財金一体」を貫いてきたことに対して、「もう少し冷静に構えていただきたかった」と苦言を呈した。

 次に簗瀬委員長は国会運営について、7日月曜は予算委の審議、昨日8日は厚生労働、同日9日には党首討論、他にも財政金融や総務などの各委員会で年金や道路の審議が行われていることに言及し、「4月は3月とは一変した濃密な審議を行い、与党の暴挙によって審議ができなかった分を取り戻していく」と精力的に国会審議を行う方針を表した。

 続いて道路財源問題の修正協議について簗瀬委員長は、「総理ご自身の提案が内容的に矛盾している」と指摘。「道路特定財源を例外なく一般財源化すると言いながら、暫定税率は廃止しないというのは何を言っているのか分らない」とし、相矛盾した内容をどう整理するのかと疑問を投げかけた。

 加えて、首相の発言は手続き的に政党の中で意思決定手続きを踏まえていない点を指摘し、「きちんとした所での機関決定がされるか、閣議決定をされるかが必要である」と述べ、「手続きを踏まず、矛盾した内容そのままで修正協議に応じることは責任政党のやることではない」と一蹴。内容、手続きともに整理された上で、修正協議に応じることができるとの認識を示した。
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