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2008/04/10
【参院財金委】道路特定財源のあり方 辻、大久保、富岡議員が追及




 辻泰弘、大久保勉、富岡由紀夫各議員は、10日午前の参議院財政金融委員会で、租税特別措置法改定案など歳入関連法案について質問した。

 辻議員は冒頭、道路財源の一般財源化の方針について早急に政府与党合意をまとめるよう、昨日福田首相が求めたことへの見解などを額賀財務大臣に質した。

 10年暫定税率を維持する道路整備財源特例法改定案にも言及、首相の一般財源化方針に矛盾すると指摘した上、整合性を取る意味合いから法案の修正が必要だと主張した。額賀財務相は与野党の間で協議がまとまれば対応すると述べ、与野党協議の前提は本来、政府・与党内こそが合意すべきであるにも関わらず、相反する考えを示した。

 辻議員はまた、揮発油(ガソリン)税の「暫定」税率や、所得税の「恒久的」減税の廃止などを例に用語の定義のあいまいさを問い、額賀財務相は整理をして考え方を出しても良いとの認識を示した。このほか暫定税率の延長を10年とする根拠、暫定税率廃止に伴う景気物価への影響の試算についても資料提出を求め、峰崎直樹委員長は理事会で協議すると答えた。さらに辻議員は地方財政計画の提出や施行期日の修正について質問、税法改正の各項目に関する遡及の取扱いを明確にすべきだとした。

 続いて質問に立った大久保議員は、特別会計の無駄遣いを指摘、特に一般職員で残業代、タクシー代金が特別会計から支出されている職員を「カメレオン職員」だとして厳しく監査、時間管理することを要求した。

 大久保議員は、国土交通省の職員のうち、タクシー代を最も使用しているのは、残業も月295時間にも上っていることも指摘、さらに、タイムカードもなく、どうやって勤務時間を管理しているのかを質問。さらに、実態を調査するよう要求した。

 額賀財務相は、「実態調査を踏まえ対応をしっかりしていきたい」と答えた。

 また、道路特定財源を一般化しても、道路特別会計が残るのであれば、なんら実態は変わらないとして、特別会計を廃止するよう求めた。額賀財務相は、「国民の理解を得るのは当然」としたものの具体的には答えなかった。

 さらに、大久保議員はいわゆる霞が関の埋蔵金も取り上げ、石油備蓄特別会計での含み益が07年度で1兆9000億円に上ることを確認し、利益を確定して一般財源とすべきではないかと提案した。資源エネルギー庁は、困難だとして拒否した。

 3人目の質疑者として質問に立った富岡議員はまず、09年度から道路特定財源を一般財源化するとした福田康夫首相の新提案を取り上げ、これまで一般財源化に反対を表明していたにも関わらず、3月下旬に急に方向転換した理由を質した。

 額賀財務相は、予算案の年度内成立をはかりたいという思いによるものと答弁。与野党間で協議の場を設けて、合意点を見出していこうという政治的な判断だとした。

 富岡議員は、「そういうことであれば早く出すべきだった」と述べ、早い段階で修正協議を求めるのが本来のあるべき姿であったはずと指摘。また、衆議院財務金融委員会で2月29日夜、野党が徹底審議を求めたにもかかわらず、「08年度における公債の発行の特例に関する法律案」、「所得税法等の一部を改正する法律案」を政府・与党が強行採決した段階で、協議の前提が崩れたのが実態だとも指摘。さらに、そもそも、閣議決定も、自民党内の取り扱いも定まらない、首相の一般財源化案の信憑性にも疑問を呈した。

 続いて、衆議院の3分の2再可決をもって暫定税率復活を目指す政府・与党の動きに関して、復活できなかったとき暫定税率分の2・6兆円をどう確保するか質したのに対し、額賀財務相は「衆議院から送られてきた形で成立させるよう、全力投球する」と繰り返し強弁。富岡議員の「暫定税率は復活するという前提で議論するということか」との指弾にも姿勢を変えず、結論ありきのなかで国会審議を求める政府・与党の強引な手法を改めて浮き彫りにした。

 富岡議員は、暫定税率をあくまでも維持するとする姿勢は理解できないとしたうえで、「歳入欠陥を補うような埋蔵金はいくらでもある」として、いわゆる霞が関の埋蔵金とされる特別会計にこそメスを入れ、無駄遣いを正すべきだとした。
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