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2008/04/14
後期高齢者医療制度の廃止を求め、4野党共同街頭演説を開催




 民主党をはじめ、共産党、社民党、国民新党の野党4党は14日午後、東京都豊島区のとげぬき地蔵前の巣鴨地蔵前商店街周辺にて「後期高齢者医療制度の廃止を求める4党共同街頭演説」を開催した。高山智司国民運動委員長代理の司会進行のもと、4野党の幹事長、国会対策委員長が次々とマイクを握り、政府・与党が4月から導入させた後期高齢者医療制度の多くの問題点を指摘。2年前の法案成立時から徹底して反対の方針を表明し制度廃止を求めてきたこと、4野党共同で同制度廃止を求める法案を提出済みであることなどを説明、廃止に向けての決意を力強く訴えた。

 山岡賢次国会対策委員長は、「自分がなぜ政治家になったのか」と切り出し、父親である山岡荘八氏が晩年、これまで培ってきた知識、経験をすべて自分に託して「政治家になるように」と伝えたエピソードを紹介。その荘八氏もまた作家を志すにあたっては、山岡国対委員長の祖父にあたる父親からの影響が大きかったことを明かし、親子、世代間のつながりの重要性、現役世代をリードしてきた高齢者を大切にしなければならないと力強く訴えた。そのうえで、地方、高齢者いじめの政策を断行する政府・与党を批判。「このままでは国が滅びてしまう」と危機感を示し、このような政治を変えるには、解散総選挙で政権交代するしかないと表明した。

 山岡国対委員長はまた、年金問題にも触れ、「高齢者が精神的にも金銭的にも安心して暮らせる社会をつくっていく」との決意を述べると、買い物の足を止め、集まった多くのお年寄りからは大きな拍手が沸き起こった。

 街頭演説のアンカーとしてマイクを握った鳩山由紀夫幹事長ははじめに、自身の家にも認知症である母親宛に新しい保険証が届いたと報告。新制度によって救われるのならばともかく、当事者である高齢者が知らないうちに悪法が施行されるようなことがあってはならないと怒りを表明、「一緒に戦っていこう」と集まった聴衆に呼びかけた。

 そのうえで、かつて「姥捨て伝説」を題材にした『楢山節考』が発表された当時、首相であった祖父の鳩山一郎氏は作品を読んで号泣、これが後の「老人福祉法」の充実に繋がったと説明。「政治とは本来こういうものだ」と、国民の視点に立った政治を取り戻す必要性を強調した。また、今まで日本を発展させ、戦争体験から平和の尊さを訴えてきた高齢者に対してこのような仕打ちは断じて許せないと表明。明日告示を迎える山口2区の補欠選挙にも言及し、「制度を廃止に追い込めるかどうかもこの天下の分け目の戦いにかかっている」として、後期高齢者医療制度が政権選択に係る政策課題の一つであるとの認識を明示、民主党への力添えを求めた。

 最後に国民新党の糸川国対委員長が音頭をとり、集まった多くの聴衆とともに同制度廃止に向けた頑張ろうコールを三唱して演説会を締めくくった。

 演説後に鳩山幹事長は記者団に対し、「後期高齢医療制度は国民の関心の的である」と述べ、高齢者のみならず老若男女が「冗談じゃない」「めちゃくちゃだ」との思いで一致していると分析。今後の活動については、まずは山口2区の補欠選挙勝利に向けて最大限努力し、そのうえで国会審議をはじめ様々な街宣活動を通じて世論に訴え続ける必要性を強調した。舛添厚生労働大臣への問責決議案については、常に視野に入れているとしながらも、当面は国会審議の中で年金、後期高齢者医療制度の問題点を厳しく追及していく考えを明らかにした。
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