2008/05/09
「農業者戸別所得補償法案」の否決に関して(談話)
|
民主党政策調査会長 直嶋 正行
本日、昨年の参議院選挙における「民主党の政権公約マニフェスト」を法案化した「農業者戸別所得補償法案」が、衆議院本会議で否決された。
政府は、2007年、小規模農家を切り捨て、大規模農家のみに施策を集中しようとする品目横断的経営安定対策を導入した。
これに対し、民主党は、2007年の参議院選挙で、安全な農産物をできるだけ国内で安定供給できる仕組みとして、全ての販売農家に所得補償を行う「戸別所得補償制度」の創設を公約し、国民の皆様の大きなご支持をいただいた。民主党が、この公約を実施法案としてとりまとめ、「農業者戸別所得補償法案」を提出したが、最新の民意を反映した参議院で可決された重みは大きい。
一方、政府・与党は、民主党農政に対する国民の支持と民主党の法案提出に周章狼狽し、導入後わずか半年で品目横断的経営安定対策を見直し、対策の名称を変更し、小規模農家でも加入できる道を開いたとしている。
そもそも、自らが導入した制度をすぐさま改めようとするのは、旧来の「猫の目農政」そのままであり、与党の自信のなさ、政権担当能力の欠如を白日の下にさらけ出したに等しい。
また、見直しの内容も、規模要件で農家を選別するという制度の基本に変わりはなく、小規模農家の取り扱いはあくまでも特例である。名称変更などは児戯に等しい。これでは、根本的な問題は解決しない。
民主党の考え方は、経営規模の大小を問わず、農家を支援することにより、食料自給率の向上、地域社会の維持・活性化等を図ろうとするものであり、農業・農村に格差をもたらそうとする政府・与党とは、制度設計の基本的な考え方が根本的に異なる。
わが国の農業・農村は、歴代内閣が推し進めた構造改革の犠牲となり、疲弊にあえいでいる。
一方、世界各地で農業の生産条件が悪化、国際的な農産物需給がひっ迫し、穀物価格が上昇、輸出規制に乗り出す国もあるなど、我が国の食料安定供給に暗い影を落としている。
こうした国内外の情勢の下、このまま、与党が政権を担い続ければ、地域社会は崩壊し、食料自給率の向上はおろか、国民に対する食料の安定供給が図れなくなることは必至である。民主党こそが、危機に瀕しているわが国の農業・農村を救い、食の安全・安心を確保することができる。
今回、法案は与党が多数を占める衆議院において否決されたが、民主党は、来るべき衆議院総選挙で政権交代を実現し、日本の仕組みを一新するべく、全力を尽くす決意である。
以上
|
|
|