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2008/05/29
【衆院本会議】園田議員、障害者の雇用の促進等に関する法律案で質問


 衆議院本会議で29日午後、内閣提出の「障害者の雇用の促進等に関する法律の改正案」の趣旨説明が行われ、民主党・無所属クラブを代表して園田康博議員が質問に立った。

 園田議員はまず、5月3日、国連の「障害者の権利に関する条約」が20カ国以上の締結を経て正式に発効したことに言及。障がい者の権利及び尊厳を保護・促進するための包括的・総合的な国際条約であるとして、条約の締結に向けて国内法制の整備をはじめ、障がい者施策全体、「障害者の差別禁止」の法制度の構築に向けての政府の考えを求めた。

 あわせて、条約策定過程において、JDF(日本障害フォーラム)など当事者団体の参画が必要不可欠であると述べ、その保障について政府の見解を質した。

 これに対して、町村官房長官は、早期の条約締結に向けて法整備を行うと明言、当事者団体の参画についても前向きな姿勢を示した。

 そのうえで、舛添厚生労働大臣に対し、障がい者が働くことに関しては、権利保障、差別禁止などの観点から、障害者の雇用促進に関する法律に限らず労働および福祉関連施策全般を見直すべきであると提言。舛添厚労相は、幅広い議論が必要であると同調した。

 また、現行の障害者雇用促進法について、精神障がい者についても雇用義務の対象とすること、現行の法定雇用率1.8%の引き上げ等を要請。舛添厚労相は現在の雇用状況では不十分であるとの認識を示し、企業のさらなる理解を得られるよう努力するとした。

 今回の雇用促進法改正案については、中小企業を取り巻く厳しい環境に配慮して設けられた雇用率算定の特例に関連して、障がい者を共同事業として集約する意義、増設が見込まれる「障害者就業・生活支援センター」における障がい者雇用に携わる労働者の労働条件の実態、障害者の経済的状況についての把握状況等を確認。障がい者の就労・雇用の継続のためには、生活支援のバックアップ支援が不可欠であるとしてその態勢構築を強く求めた。

 舛添厚労相は、事業者の適切な管理に向けての周知徹底、人材確保、育成に向けて就労支援体制の強化などの必要性を明示。福祉、雇用両面での支援を行うと応じた。

 園田議員は最後に、障がい者が当たり前に地域で暮らし、地域の一員として共に生活ができる社会を目指すとの民主党の基本方針を述べ、政府の場当たり的な対応との違いを強調。障がい者の暮らしの実態等を調査検証したうえで、抜本的な改革を行い、将来にわたり安定した障がい者福祉制度を構築、安心して地域で暮らすことのできる社会を実現していく、と決意を表明して質問を締めくくった。
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