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2008/06/06
【衆院決算委】横光議員、首相に国際社会でのリーダーシップを強く要請




 衆議院決算行政監視委員会は6日午前、締めくくり質疑を行い、民主党・無所属クラブからまず、横光克彦議員が質問に立ち、福田首相に対して国際社会でリーダーシップを発揮するよう強く求めた。

 横光議員はまず、国と地方の長期債務残高が800兆円にも及ぶ日本の厳しい財政状況に言及し、政府は財政危機を理由に地方、高齢者、障がい者など弱い立場に痛みを押し付ける一方で、税金のムダ遣いや思いやり予算と称して在日米軍の駐留経費を過度に負担している状況を指摘。米軍はレンタカーを利用したりしたレジャー代までも日本政府が肩代わりしていることを例に、「思いやり過ぎがあるとすれば国民の理解を得られないのではないか」と述べ、福田首相に対して即刻中止を求めた。これに対して首相は、現在車両運用実態について米軍から回答待ちであり、その回答を踏まえて対応するという消極的な答弁であった。
 
 続いて5月28日の仙台高裁、30日の大阪高裁においていずれも原爆症認定の訴訟で判決が下されたことを取り上げ、「原爆症認定問題において政府は広く救済する立場に立つのか否か、政治的決断が迫られている」と福田首相の姿勢を追及。「高齢の被爆者にとっては一刻の猶予も許されない」として、国として上告の断念を言明するよう求めたが、「私の意見だけでは解決できない」と逃げの答弁に終始した。

 横光議員は次に、アイルランド・ダブリンで開かれた軍縮交渉「オスロ・プロセス」の会議でクラスター爆弾を事実上禁止する条約案が参加110カ国の全会一致で採決されたことを評価。そのうえで、いかにして廃棄を実行あるものにするかが今後の課題だとして、自衛隊が持つクラスター爆弾すべての廃棄を即刻発表し、実行するよう要請。さらに、クラスター爆弾を大量に保有しようしてきた米国、ロシア等の軍事大国に対して、条約の重さと廃止に向かう国際世論の流れを説明し、絶対に使用してはならないこと、条約に一刻も早く参加することを働きかけるべきだと迫った。

 また、昨年の国連総会で「劣化ウランを含む武器・砲弾の使用に影響に関する決議」が採択されたことに言及。クラスター爆弾同様「悪魔の兵器」である劣化ウラン弾は健康被害のみならず環境破壊においても多大な影響を及ぼすと指摘、唯一の被爆国として世界平和に向けて、放射能汚染を生じる劣化ウラン弾全面禁止に向けてリーダーシップを果たすべきであると指摘した。しかしながら福田首相は、「国際機関からの見解を注視していく」と繰り返すのみ。横光議員は、福田首相の後ろ向きな姿勢に怒りを超えて落胆の表情を見せ、最後に劣化ウランに関する被害状況、現地調査の実態を網羅した本を進呈すると述べ、質問を終えた。
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