ニュース
ニュース
2008/06/06
【衆院決算委】官庁職員のタクシー接待問題追及 長妻議員




 6日午前の衆議院決算行政監視委員会で、長妻昭議員は、各省庁職員のタクシー接待や後期高齢者医療制度、消えた年金記録の問題などについて福田首相、額賀財務大臣の見解を質した。

 長妻議員は冒頭、昨年の茂木厚生労働委員長による議事録無断削除問題について首相に厳重抗議した。続いて各省庁の職員のタクシー利用状況について町村官房長官に報告を求め、タクシーを利用した際に金品を授受した職員数が約500名に上り、うち財務省職員が現金で約187万5千円を受け取っていたことを確認した。

 長妻議員は「タクシーチケットを料金を水増しして渡して、毎回乗車運賃の1割を現金でキックバックすることが霞が関で常態化している」という情報が寄せられたと紹介し徹底調査を求めた。首相は「国民から疑念を抱かれるようなことは一切すべきではない。当たり前のことがどうして守られないのか」と苦言を述べた。

 長妻議員はまた、後期高齢者医療制度について、後期高齢者と74歳以下の国保加入者の負担の伸び率などを示して、厚労省が適切な説明を行っていないと指摘、「75歳以上で切り分ける制度そのものに無理がある」として白紙に戻す考えはないか質した。首相は制度ができた経緯を振り返り、持続可能なものにすることが必要と説明した。

 消えた年金問題については、未統合の8・5億件の紙台帳記録のコンピュータデータとの照合、紙台帳からコンピュータに入力済みの3億件の年金納付記録のうち未統合記録の5千万件を除いた2億5千万件に対するサンプル調査の実施を求めた。首相は、紙台帳記録とコンピュータ記録の照合について「実現可能性のある方法を検討して今月末をメドに作業方針を示したい」と述べるのみで、2億5千万件の記録に関しては言及しなかった。

 長妻議員は決算について、試算では15・3兆円の歳出カットが可能であるとして、各省庁に埋め込まれている税金のムダ遣いを自動的に生み出す仕組みを批判。天下りをあっせんする「わたり」慣行にも言及してその即時廃止を求め、年金や医療保障をけずり消費税をあげる前に天下りや税金のムダ遣いをやめるよう主張して質問を終えた。
記事を印刷する