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2008/06/09
小沢代表、米どころ新潟訪問 日本農政のあり方めぐり生産者と意見交換




 小沢一郎代表は9日午後、新潟県五泉市の猿和田地区、土掘地区を訪れ、減々農薬米「トゲソ米」を生産する田んぼを見学するとともに、竹林に囲まれたトゲソ池近くで車座になり、近隣の農家の方々と日本の農政のあり方について語り合った。

 五泉市が南限といわれるトゲソは、トゲウオ科の淡水魚で体長5センチ程度、絶滅したかと思われていたが再発見され、清流の象徴のような存在として保護活動が展開されていると説明を受けた。そのトゲソとの共生を目指す減々農薬米の生産が、NPO法人「五泉トゲソの会」の手で行われている。

 そうした活動と、生産の工夫、苦労などの説明を受けた小沢代表は、自らも岩手に田んぼを持ち、米づくりをしている立場から、「夏の草取りが大変」と語り、減農薬となると一層草も増えて、草取りの苦労は倍増するだろうと、その労をねぎらった。清流にしか住めないトゲソが生きられる環境を守りつつ行われる米づくりの意義に共感し、そうした視点と活動に賛同した。

 車座になっての近隣農家の方々との意見交換では、環境にやさしい農業への理解が消費者にも浸透しつつあるとの認識を示すとともに、政治がそうした点で、リーダーシップをとっていくことの大切さにも言及した。

 また、イチゴ栽培農家の方から今朝収穫したイチゴを振る舞われた小沢代表は、その「持ち」について質問。自らの選挙区・岩手の特産品のリンゴも品質のいいものに特に持ちが悪いものがあると語り、生産者の収入増のためにも改良の必要性に言及した。

 さらに、14ヘクタールの水田をもつ大規模農家の方からは、自公政権下で行われた品目横断的経営安定対策では、期待したほどの補償が受けられなかった現状を訴える声があり、未来に希望が持てる農業が成り立たなくなっている窮状が語られた。「机上の空論ではなく、現場の声をもっと聞いて政策に反映してほしい」「長期的な視野に立った農業政策が必要」「他産業なみの所得補償を」「子どもに後を継いでくれと言えるところまで農業を安定し、魅力あるものに引き上げてほしい」といった意見があった。

 それに対して小沢代表は、民主党が昨年の参院選以来主張し、法案として提出した農業者戸別所得補償法案について説明し、効率だけを優先するのではなく、日本の自給率向上のためにも農家を国として支えていかなくてはいけないとの見解を明示。適材適所の生産と、生産者を支える戸別所得補償制度で大豆、麦などの生産量も向上させ、自給率を上げていきたいと訴えた。

 さらには、「そのためには農業政策から転換していかなくてはダメ」と語り、その実現のためにも政権交代が必要として、民主党への支持を求めた。
 



 
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