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2008/06/10
後期高齢者医療制度廃止に向け、緊急大演説会を東京・有楽町で開催




 民主党は10日午後、東京・有楽町で後期高齢者医療制度廃止に向けて緊急大演説会を開催した。

 小沢鋭仁国民運動委員長はまず、「後期高齢者医療制度は絶対に廃止させる」と表明。衆議院での後期高齢者医療制度廃止法案の審議を拒否している与党を批判、集まった聴衆に対して、「廃止の意志を表してほしい」と、廃止法案成立に賛同する署名を呼びかけた。

 山田正彦『次の内閣』ネクスト厚生労働大臣は、政府・与党は制度導入により保険料は下がると強弁したが、実態は違うと指摘。介護保険料同様に保険料も今後上がっていくとの警戒感を示し、「本気で廃止に追い込もう」と訴えた。

 円より子副代表は、4月の衆議院山口補欠選挙、8日の沖縄県議会議員選挙に触れ、国民の声は後期高齢者医療制度の廃止、ゼロからの医療制度の見直しを求めていると主張。国民生活のわからない現政権では国民は納得しないとして、政権交代の必要性を述べた。

 後期高齢者の代表としてマイクを握った渡部恒三最高顧問は、「後期高齢者医療制度はお金の問題であると同時に心の問題である」として、「お年寄りがいることが若者にとって迷惑であるかのような法律を断じて許すことはできない」と強い怒りを表明。参議院での問責決議案提出について、「決議案が成立したならば直ちに内閣総辞職もしくは解散・総選挙をして国民の真意を問うのがデモクラシーである」との見解を示し、「若者が未来に夢を託し、お年寄りが安心して暮らせる日本をつくるためには政権交代しかない」と力強く訴えた。

 高木連合会長は、小泉政権以降、国民負担は増えるものの国民への給付・サービスは下がっている現状を説明。セーフティネットの機能は低下する一方で将来への不安は高まっていると分析した。そのうえで、後期高齢者医療制度は制度そのものが欠陥であると指摘。ワーキングプアなど雇用問題にも言及し、非正規雇用者の増加など働き方の歪みが社会保障がおかしくなっている最大の原因であるとの認識を示した。さらに、最低賃金の引き上げなど格差是正に向けての提言も行い、政権交代の必要性を重ねて訴えた。

 最後に鳩山由紀夫幹事長は、巷で話題であると「居酒屋タクシー」を紹介。官僚任せといわれる日本の政治において特に力のある財務官僚がタクシー運転手からのビール券や金券などを多く受け取っていた事実を問題視した。「財政の健全化は必要と認めたうえで、まずは国民の暮らしの健全化が先決である」と述べ、間違った後期高齢者医療保険制度を廃止すべきだと主張した。

 同時に、制度の最も深刻な問題点は「お年寄りの尊厳を傷つけたこと」と批判し、尊厳を回復する手段は同制度の廃止であると強調した。また、問責決議案については、後期高齢者医療制度が衆議院で審議されなかった場合には提出するとの方針を明示。これまでの道路特定財源をめぐる対応を含めて、福田首相に対して不信任の意志を表すことが大きな政治の流れを変える最大のチャンスであるとして、「官僚任せの政治から国民主導の政治に転換できる」と表明し、聴衆に理解を求めた。

 演説会は高山智司国民運動委員長代理(遊説局長)の司会進行のもと行われ、このほか、田名部匡代衆院議員、平山幸司参院議員も街宣活動に参加した。
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