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2008/06/24
消費税引上げ発言の前にいい加減なムダ遣いの是正を最優先すべき 会見で代表 長野市


 小沢一郎代表は24日夕、保育園およびリンゴ農家の視察を終え、長野市内で会見を行った。

 地方活動においては、農林漁業はじめ福祉・介護など、さまざまな分野の現場の声を聞くことをモットーとしていると説明したうえで小沢代表は、同日の視察においては、保育園を訪問し、子育て中のお母さんたちから率直な意見を伺ったとした。

 「保育園に入れるのもそれなりに経費もかかるし、子育てが大変」といった声があったと紹介した小沢代表は、その意見交換のなかで、参院選マニフェストにも盛り込んだ、子ども1人当たり月額2万6000円の子ども手当の支給の実現を民主党は目指しているとお母さんたちに説明したと表明。「でたらめな、夢みたいな話だと政府・自民党は言っているようだが、とんでもないこと」とも述べ、約10年前から現実に子ども一人当たり月額約3万円の支給を実施したフランスでは今や出生率が2・0まで回復したことを語り、少子化対策の意味でもぜひ実現したいと表明。「政権をとったらぜひ実現したいと言ったところ、何としても頼みます。そうなれば3人目を産みたい」という話もあったと小沢代表は述べ、子育てが安心してできるしくみと環境をつくることが大事だと改めて感じたと、視察を通じての印象を語った。

 また、記者団から首相の消費税引き上げ発言に関連して、1週間前には「決断のとき」としておきながら、昨日は「2、3年先の話」と発言している点について、ぶれた感じがするがどう見るかとの問いに、「総理の発言が右往左往しているのはあなた方記者がびしっと聞いてください」と皮肉ったうえで、日本の戦後の税制全体を含めて考えるときに、消費税も大きなしくみであると指摘した。

 そのうえで「しかし」と前置きした小沢代表は、現在、政治行政の実態がいい加減なムダ遣いや権力をかさにきた不祥事がいろいろと起きているなかにあっては、それをまず整理して、ムダを省くことが最優先課題だと明示。「そうすることで、私たちが考える政策のための財源は十分に確保できると思っている」とも述べ、同時に、「お金は大丈夫。日本はある」と断言したうえで、どこにどう効果的に、有効に使うかこそが問われているのだと重ねて論じ、「今の、でたらめなお金の使い方を前提にして、国民から(消費税を)取り上げるということだけ考えたのでは政治ではない」と断じた。

 何もしないでただ役所の言うとおり、「もうそろそろ決断しなければならないね」などと発言しておきながら、メディアからの批判を受けると「何年か先だ」などと言い変える、そうした首相の姿勢は「論評にも値しない」と一喝。そういういい加減な話なら、最初から発言すべきものではなく、「どうしてもこうあらねばならない」という内容についてのみ、首相たるものはしなければならないと苦言を呈した。

 さらに、米国の北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除への動きを受けての認識を問われては、「日本の事情で、米国固有の世界戦略は影響されないということだ」と分析。逆にいえば日本政府の米国への影響力というのはなかったということでもあるとして、中国も北朝鮮も同様だとの認識を示した。

 一番の同盟国とされる米国は、拉致家族等には快い対応姿勢を見せてきてはいたが、結局は米国自身の国家戦力、利害の前にはそんな日本側の要請は全く考慮に入っていないということであるとの見方も示し、「それが世界の現実。日本が世界でおかれているポジションというのはアメリカにとっても、その程度のものだということだ」と語った。
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