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2008/07/03
民主党人権・消費者調査会、消費者団体との意見交換会行う
「消費者権利擁護官法案」骨子案元にブラッシュアップへ




 民主党人権・消費者調査会は3日午後、消費者団体との意見交換会を都内で行った。同調査会は、消費者の視点からよりよい消費者行政を実現するため「消費者権利擁護官法案(消費者オンブスパーソン)」骨子案を取りまとめた。

 意見交換会では民主党案をテーマに、法案の更なるブラッシュアップに向け、日本弁護士連合会、全国消費者団体連合会、全国消費生活相談員協会、日本司法書士会連合会、消費者主役の新行政組織実現会議(ユニカねっと)等、各団体から意見を聞き、意見交換した。民主党側からは、同調査会会長の仙谷由人衆議院議員、副会長の枝野幸男、小宮山洋子両衆議院議員、事務局長の園田康博衆議院議員ほか、田名部匡代衆議院議員、金子恵美、行田邦子両参議院議員が参加した。

 冒頭、主催者挨拶に立った仙谷会長は、エビ養殖事業による巨額詐欺事件や中国産を国産と偽っていた偽装うなぎもの問題などに言及し、「個人消費者が無防備な状態でマーケットに放り込まれている」との認識を示し、消費者をサポートする施策が遅れてきたと指摘。徹底して消費者サイドに立って物事を処理できる機関をつくるべきとの認識で「消費者権利擁護官法案」をつくったと改めて表明。参加した各団体の代表者に対し、「現場の知恵、現場の問題点をよくお分かりだと思うので率直なご意見をいただきながら、われわれの案をバージョンアップしていきたい」と述べ、有益な指摘を求めたいとした。

 続いて、枝野副会長が民主党が法案で示した消費者権利官制度の5つのポイントについて説明。消費者権利官制度は消費者の立場から各省庁に対して勧告等を行う行政機関として設置されるもので、(1)消費者の立場にたって徹底した権限行使を行えるよう、行政主体からの独立性を確保するため、内閣の外に設置する、(2)違法収益はく奪訴訟(適格消費者団体による損害賠償等団体訴訟や消費者個人による訴訟)制度を導入、(3)相談・あっせん窓口の全国的一元化を目指す。擁護官・地方擁護官のもと、消費生活相談員が相談・あっせんを実施し、消費者110番(3桁番号)を設置し、全国で365日対応する、(4)各省庁・都道府県等に対する消費者問題関連情報の提供義務を課すとともに、消費生活に関する情報収集・分析等の迅速・適切な公表を義務付け、情報の一元的集約と情報発信の迅速・適切化をはかる、(5)擁護官は民間人から政治任用し、「民の心」をもった擁護官と、その下での組織運営・権限行使の体制を確保し、日本全国どこでも擁護官の助けが受けられる体制を整える――などが制度の柱となる。

 枝野副会長の説明後に各団体の代表者からそれぞれの視点で質問・指摘があり、法案のレベルアップに向けて意見交換が繰り返された。
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