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2008/07/09
G8サミットは再考されなければならない時期を迎えている 鳩山幹事長




 鳩山由紀夫幹事長は9日夕、3日間の日程を終えた北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)に関して記者団に語った。

 「G8(主要8カ国)サミットがもう一度再考されなければならない時期を迎えているのではないか。ある意味で最後のG8サミットなのではないか」と語った鳩山幹事長は、言葉を続けて「つまりG8の首脳だけでは結局何事も決まらない。決めることができない時代になったということではないか」と指摘。すなわち、中国はじめ多くの国々の考えを無視しては物事を決められない世界情勢にあるとの見方を示した。

 同時に「よくやった」「成功した」という印象が残るように各国間で取り計らうために失敗はないが、白熱した議論内容であればあるほどあいまいな表現になると分析し、「結論がみんなあいまいになっているのはそこによるものだ」と述べた。

 また、地球温暖化防止問題などを協議する地球環境サミットとも呼ばれたが、評価に値するものはなかったとの見方を示した。温室効果ガスの削減目標の設定に関して、G8は国連での交渉に参加する全ての国と2050年までの50%削減で合意することを目指すとして採択された首脳宣言について鳩山幹事長は、「自分たちだけでもやるぞという強いメッセージを出すべきで、みんながやるように、その認識を共有しようということでは何のメッセージも出たことにならない」と批判。これまで地球環境問題に熱心に取り組んでこられた方々にとっては「情けないメッセージとして伝わったと思う」と語った。

 中期目標に関してもなんら具体的な数値が盛り込めなかった点について「何をかいわんやだ」と切り捨てた。

 原油高や食料品の高騰に関しても強い懸念が表明されただけであることについても、「強い懸念が表明されていったい何なのだ。具体的にどういうことをやろうかということが何一つ決まっていないように見受けられる」とも述べた。

 福田首相の議長としてのリーダーシップに関しては「リーダーシップがあったとは誰一人認められなかったと思う。ある意味でもともと無理ではなかったか」と述べ、日本としての中期目標も提示できずに温室効果ガス削減の具体的な議論を主導できるわけがないと切り捨てた。
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