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2002/03/06
【衆院予算委】上田議員、「支援委員会」問題を引き続き追及


 6日、民主党の上田清司議員は前日に続いて衆議院予算委員会で質問。政府の北方四島支援事業について、1995年から事業内容が恒久的施設建設支援に転換した経緯を質した。

 まず上田議員は、「支援委員会」を通じた支援事業の案件選定は、受益国の要望に従い検討することとなっているにもかかわらず、文書で示された要望は過去1件しかないこと、94年以後は支援委員会メンバー(13か国)が出席した正式の会議は一度も開催されていない事実を指摘。川口外相も認めた。

 さらに上田議員は「それで委員会は成立するものなのか」と重ねて追及。外務省の斎藤欧州局長は「ロシア以外はODA対象国となったので支援委員会の対象から外れた」などとした上で、ロシアに対しては申入れを行ったにもかかわらず委員会メンバーは不在だと説明。加えて、支援事業は目的に照らして継続して実施してきたと述べた。それに対して上田議員は「それでどうして予算がついてしまうのか」と批判した。

 また上田議員は、95年5月の河野外相(当時)と鈴木宗男議員とのプレハブ診療所をめぐる国会質疑を紹介。建設推進を迫る鈴木議員に対して、外相が「建設は北方四島の不法占有という現状を固定化し、わが国の基本的な立場を損なう」と拒否していたのに、その後支援委員会が強引に建設を決めた問題を取り上げた。上田議員は、要請も委員会開催の事実もなく、現地調査団を派遣した事実もない点を改めて確認した上で、「だれがどう検討し、決定を下したのか」と迫った。外務省側は「支援内容は日本政府の判断で決定するもの」などとし、川口外相も明言を避けた。

 上田議員は「支援事業はムチャクチャ、デタラメだ」と語気を強めて批判。併せて、必要な書類が何ら見つからない現状を重ねて追及した。これを受けて小泉首相も「記録は本来残っているべきもの」などとした。
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