ニュース
ニュース
2008/09/01
自民党による2度目の政権投げ出しは国民無視の手法 首相の辞意表明に幹事長憤り表明
直ちに解散・総選挙を行うべき それが国民の声だ


 鳩山由紀夫幹事長は1日、福田首相の突然の辞任表明を受けて党本部で記者団の質問に答えた。

 「1年間の間に2度も自民党が政権を投げ出した。信じられない思いだ」と厳しい表情で切り出した鳩山幹事長は、密約説があったとも言われる1カ月前の内閣改造は何だったのか、12日の国会召集を決定したばかりであるなかでの辞意表明は何なのか、「あまりにも国会軽視、国民無視の手法に強い憤りを禁じえない」と批判。直ちに解散・総選挙を行うべきで、それが国民の声だと強調した。

 あわせて鳩山幹事長は、経済的にも社会的にも厳しい状況下に置かれている方々が多いなか、何の対策も打ち出せなかったから辞めるとする福田首相の辞意理由について「あまりにも無責任だ」と語気を強めて批判。何ら打開策を見出せないならばなおのこと、解散をして信を問い、国民の皆さんに期待される政権を作り上げるべきだとして、「直ちに解散・総選挙に入ってもらいたいという思いだ」と重ねて語った。

 また、野党の審議引き延ばし・審議拒否によって国会運営が上手くいかなかったことも辞意理由のひとつに挙げている点については「野党に責任をなすりつけられても困る」と幹事長は苦言を呈し、国会のねじれは、世界中のどこにでもある状況で、そのなかで民主党は重要な政治課題に関して、対案を出しながら真摯に議論してきたと改めて説明。「自分たちの考え方が正しい。野党の考え方は正しくない。だから(法案が)通らなかったからけしからんと言われても困る」と、首相の言いがかりともいえる誤認識を問題視し、「私どもに責任を押し付けるのは、完全に筋違いだ」と指摘した。

 さらに、「新しい体制の下で政策の実現を図って欲しい」と安倍前首相と奇しくも同じ辞意コメントを福田首相が表明した点については、「新しい内閣をつくれば何かことが上手く運ぶのではないかという錯覚なのではないか」と断じるとともに、しかし、根底の自公政権の姿がまるで変わっていないのでは、政治課題が解決できるとはとても思えないと批判した。

 首相辞任を受けて自民党の総裁選が行われることになると、去年の臨時国会同様、国会がしばらく空転するのではないかとの記者の問いには「当然ある」との見方を示したうえで、もし辞任、あるいは新しい布陣を望むのであれば、なぜ1カ月前に内閣改造をしたのかと鳩山幹事長は怒りを表明し、「内閣改造するときに解散・総選挙をしていれば、今新しい政治がスタートできた。それをしないで、国会の召集日まで事実上決めておきながら、それを投げ出すのは極めて無責任だ」と、重ねてその無責任ぶりを問題視した。

 鳩山幹事長はまた、公明党に引きずられて思うような政権運営をできなくなったことが辞任の理由ではないかとの見方についても言及し、「責任を民主党に向けたが、実際は公明党と自民党との間がギクシャクして、国会召集日も、会期も決められない、妥協せざるを得ない。そして福田首相が忌み嫌っていた定額減税までさせられてしまう。政策も国会日程まで公明党に支配されている。こういうことに対して、行き詰まりを感じたのではないか」とも分析した。
記事を印刷する