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2008/09/15
官僚政治ではなく国民のための政治を民主党にやらせてほしい 菅代行、阿久津・東京24区総支部長と


 菅直人代表代行は15日午後、JR八王子駅前で街頭演説を行い、阿久津幸彦・東京都第24区総支部長とともに、官僚主導の政治をストップさせ、国民のための政治を実現するため、「一度民主党にやらせてほしい」と訴えた。

 最初にマイクを握った阿久津総支部長は開口一番、「ぜひとも政権を変えたい」と力強く表明。民主党政権になれば、「3点、確実に変わる」と述べ、(1)年金改革(2)医療制度改革(3)官僚制度改革――を列挙した。

 特に「日本の病院医療はもはや崩壊の危機にある」と語った阿久津総支部長は、医師不足解消のために民主党は医師派遣制度を提案していることを明らかにした。また、米国の危機管理庁が民営化された結果、災害時等に機能しない状態に陥っている点を取り上げ、「日本の社会保障もそういう危機にある」と指摘。社会保障に関してはただ効率化を求めるのではなく、あくまでも国主導の国民サービスを欠かしてはならないと指摘した。

 ずっと続いてきたしがらみにがんじがらめの自民党政権下では官僚による税のムダ遣いなどにも大胆に切り込んでいくことはできないと語った阿久津総支部長は「一度でいいから民主党にチャンスをいただけないか」と訴えると、「二度も三度も」という力強い声援とともに、賛同の拍手がわいた。

 阿久津総支部長はさらに、民主党政権下では官僚制度改革を徹底するために、各省庁ごとに全部で100名の政治家を送り込む方針であることを明らかにし、総支部長自身もその一員として力つくしていくと訴えた。

 続いて菅代表代行は、今、一番心配なことは保育園の給食にまで及んでいた汚染米の問題ではないかと菅代表代行は指摘し、米の売買は国・農林水産省の管轄下で行われてきたにもかかわらず、汚染米が随所で食用に使われる事態を招いた国や農水省の杜撰な対応を問題視。「こうした事態を招いたのは、行政の怠慢によるものに他ならない」と断じた。

 同時に、問題を軽視し、自らの責任を回避し続ける農水省事務次官や農水大臣について、国民軽視そのものだと批判するとともに、国民の立場に立った解明への動きを何ら見せない農水相については官僚主導政治の限界が見えると指摘した。

 かつて自らが厚生大臣をつとめたとき、薬害エイズ被害者に対して、厚生労働省が省の責任を認めるどころか「被害にあったのは運の悪い、気の毒な人」といった表現をした当時と同様、国民軽視、官僚天国の行政のあり方が今も続いていることを象徴する事件だと菅代表代行は分析した。

 「太田農水大臣を皆さんが選んだわけではない。しかし、選挙は大臣も総理大臣も決めてしまう。だが、もうだまされませんよね、みなさん」と聴衆に呼びかけると、大きな拍手と賛同の声ともに、2度にわたった政権投げ出しを行った自民党への怒りの声が沸き起こり、菅代行の「自民党総裁をもう総理にしないでください」の呼びかけには大きくうなづく姿が随所で見られた。

 それを受けて菅代表代行は、民主党が政権を手中にした暁には2つの革命と3つの改革を実現させると宣言。(1)地域の活力を取り戻すべく徹底した分権革命を行う、(2)年金・税金はじめ不透明なムダ遣いが後を絶たない現状を根本から変えていくため、透明化革命を行う――として二つの改革内容を明示。また、3つの改革としては、(1)年金・医療(2)少子化(3)農業の問題を取り上げ、新しい民主党の政権でぜひとも実行していきたいと思っていると語った。

 さらに、菅代表代行は、「今の日本の政治は今の自民党の内閣がこのまま続いたら、官僚主導の政治が変わることは100%ない」と断じ、民主党にしかできない2つの革命と3つの改革実現のためにも、「一度民主党にやらせてほしい」と訴えると、「よし」という声援の大きな拍手に駅前は包まれた。
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