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2008/09/19
太田誠一農林水産大臣の辞任について(談話)
民主党『次の内閣』ネクスト農林水産大臣 筒井 信隆

 太田誠一農林水産大臣が本日辞任され、白須農林水産事務次官も更迭されたが、遅きに失するものである。太田前大臣は、12日、民間のBS放送の番組収録で、三笠フーズ等による汚染米の横流し事件に関連して、「人体に影響がないことは自信を持って申し上げられる。だからあんまりじたばた騒いでいない」との旨の発言を行った。さらに、「そもそも焼酎は蒸留する過程で有害なものが分かれていくからほとんどない。中国ギョーザの濃度に比べて60万分の1の低濃度」などという屁理屈を並べ立て、健康には問題がないと強弁した。

 業者と馴れ合い、消費者の命に関わる食品安全対策をおろそかにしている農林水産省の責任が厳しく問われる中、行政府の長としての自覚を欠き、公然と自らの責任逃れを公言するもので、国民を愚弄する、極めて悪質な発言であった。残留基準値を超えるメタミドホスや地上最強の天然発癌物質であるアフラトキシンが検出されて国民の不安が高まり、健康被害についても十分な検証がなされていない段階で、かかる発言を行ったことは絶対に許すことができないものであった。太田前大臣の辞任は当然のことであり、遅きに失したものといえよう。
 
 太田前大臣と言えば、2003年に起こった集団強姦事件の際に、「集団レイプする人はまだ元気があるからいい」というとんでもない発言を行い、また、大臣就任後には、「太田誠一代議士を育てる会」が秘書の自宅を主たる事務所としながら経常経費を収支報告書に計上していたことが明らかになる等、そもそも大臣としての資質を疑わせるものであった。以上に加え、先月10日、NHKの討論番組で、食の安全に関連しても問題発言を行っている。「特に日本は潔癖で、国内は心配しなくてもよい」「消費者としての国民がやかましくいろいろ言うと、応えざるを得ない」などと国民を侮辱する発言を行い、批判が集中した。こうした行為に対して何の反省もなく、今般、さらに悪質な発言を繰り返したことは容認できない。

 一方、白須前事務次官は、今月11日、汚染米の横流し事件に関し、「一義的に責任は業者にある。農林水産省に責任はない。」旨の発言をした。本事件が農林水産省の所有する米穀の売却に起因する問題であることに加え、食の安全・安心を与る行政の事務方トップとして、当事者意識と責任感に欠ける、不適切な発言であり、今回の処分も当然である。

 なお、太田前大臣の後任の町村信孝官房長官も、昨年12月に米国産牛肉の月齢制限の緩和について「前からそういう方針だ」と発言するなど、食の安全・安心を切望する国民の思いを無視する上に、科学的知見に基づく食品安全行政について不見識な人物であり農林水産行政のトップに立つ人物としては不適当である。太田前大臣に続きこのような人物を農林水産大臣に任命する福田総理の責任も問われる。

以 上
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