ニュース
ニュース
2000/12/01
KSD関与の「ものづくり大学」認めるな=党疑惑追及委員会が申し入れ
民主党のKSD不正疑惑追及委員会の横路孝弘委員長、仙谷由人、荒井聡、永田寿康各議員が1日、文部省に大島理森文相(前)を訪ね、「ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団」(KSD)傘下の「国際技能振興財団」(KGS)が設立推進母体となっている「ものつくり大学」の設立について、「大学の設置を拙速に認可すべきではない」と申し入れた。

 「ものつくり大学」は現在文部省の大学設置審議会が設立認可を審議している4年制私立大学で、来年4月の開校を目指している。ところが、「ものつくり大学設立準備財団」が集めた開設資金157億円のうち、民間からはわずか4億円で、残りは国、大学が建つ埼玉県と行田市、そしてKGSを通じてKSDが負担している。しかし、KSDの資金は中小企業経営者の共済金であり、KSDの寄付行為の目的、事業の中には大学設置推進の項目はない。

 また、KGSの理事長は横領、背任容疑で逮捕された古関忠男KSD会長で、さらに大学設立準備財団の職員は全員KGSの職員を兼務しており、実質上大学設立準備財団とKGSは一体となっている。

 民主党のKSD不正疑惑追及委員会では、KSD本体やKGSに捜査の手が及んでいる状況で大学設置を認可するべきではないとして、申し入れを行った。

 これに対して、大島文相は「法律に基づいて厳正公正に処置していきたい」と答えたが、具体的な可否については言及しなかった。

 4人の議員は、この後、労働省の日比職業能力開発局長、大蔵省の林主計局長をそれぞれ訪ね、「雇用保険特別勘定から設立資金がKGSを通じて一私立大学の設立に使われている。国費の使われ方としてはおかしい」として、来年度予算要求で大学設立のための予算を要求すべきではないと申し入れた。

 委員会では、この問題を来年の通常国会で取り上げ、労働省や文部省を厳しく追及していくことにしている。
記事を印刷する