2008/10/01
【衆院本会議】自民党政権打倒は民主党の使命 鳩山幹事長が代表質問で
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鳩山由紀夫幹事長は1日午後、衆議院本会議で麻生首相の所信表明に対する代表質問に立ち、『官僚政権』に代わって『国民政権』を樹立し、国民の期待に応えるため全力を挙げる決意を表明した。
冒頭、所信表明の内容について、自民党総裁として政治空白を招いたことに対する国民への謝罪、なぜ2年の間に3人目の首相となったのかの総括と反省が真剣に語られるべきであったと指摘。「責任と実行力ある政治を行う」姿勢には見えないと述べた。
中山前国土交通大臣の辞任については「単なる失言問題でなく、重大な不祥事だ」と見解を質し、麻生首相は任命責任が自分にあることを認めた上、今後、仕事で成果を出すことによって国民に対して責任を果たしたいと主張した。
鳩山幹事長は続いて補正予算の審議に言及、「(民主党は)審議を引き延ばすことなど毛頭考えていない。6日から予算委員会の審議を。補正の審議を行なってから、国民のみなさんが待望している解散・総選挙に臨むべきだ」などと見解を述べた。麻生首相は答弁で、補正予算案と関連法案へ早急に結論を出すことを約束するよう求めた。
鳩山幹事長はまた、野党に答弁権が与えられていない所信表明演説の中で、民主党への質問を語った首相の態度について「ただ選挙に勝たんがために国会を利用する、総理たる資格を欠くもの」と厳しく批判。理念も政策も違う政党がそれらを競い、優劣で国民の審判を仰ぐのが議会制民主主義の基本であるため、日本には政権交代と二大政党制が必要と主張。「国民生活が破壊され国の尊厳が失われていく時に、自民党政権を倒すことは民主党の使命とも言うべきものだ」と見解を語った。
さらに、経済財政政策や消えた年金・消された年金問題など、国民生活に不安を与えている課題に言及。すでに民主党が提案している政策を具体的に示した上で、麻生内閣としての約束や方針を明確に示すよう迫った。
汚染米問題については、三笠フーズへの96回の調査で農林水産省が何も発見しなかったが、そのうち4回では、焼酎用に使う予定と報告されていると指摘。水際で止めず、焼却処分もせず、着色するなどの区別もしなかった行政の対応は、内部に改革チームを作っても取り締まれないと批判した。
鳩山幹事長は「消された年金、汚染米、薬害肝炎、いずれも政府が加害者であり、それを告発し正しい方向に転換させようと努力してきたのは国民だ。公僕たる官僚が国民の税金や利権にあぐらをかき、それに乗っかり怠惰な政権の美酒に酔ってきたのが自民党だ。自民党は誰がトップになっても変わらない『官僚内閣』『官僚政権』だ。政権交代が必要だと民主党が主張するゆえんはここにある」として、議場の同僚議員から拍手を浴びた。
後期高齢者医療制度については、半年間保険料の徴収が凍結されていた方など625万人の新たな高齢者を対象に、15日から保険料の天引きが始まると指摘し、「一年をかけて見直しを検討している暇などない」と述べた。「自立支援」の美名のもと、障がい者の方々に定率負担を押し付けて自立を妨げていることにも言及して「弱者切り捨て、競争至上主義の自民党政治」を批判した。
鳩山幹事長はこのほか、食料自給率の引き上げや中小零細企業支援、分権、外交などについて質問。自民党と民主党の政策実現のための財源問題を整理し、民主党の「ガラス張りのムダの排除、総組み替え論」に対して、麻生自公政権の財源対策はまったくのブラックボックスであると指摘した。国民生活と日本の経済社会を変え、『官僚政権』に代わって『国民政権』を樹立し、国民の期待に応えるため全力を挙げる決意を示して質問を終えた。
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