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2008/10/15
【参院予算委】 政府の追加景気対策は臨時国会ではまとまらず 福山議員が質す




 福山哲郎政調会長代理は15日午前、参議院予算委員会で質問に立ち景気対策、後期高齢者医療制度、汚染米問題などについて麻生首相をはじめ政府の見解を質した。

 福山議員はまず、「解散より景気対策」と解散・総選挙を先送りしている麻生首相に対して、景気対策の必要性は明示したうえで追加の景気対策をいつ頃行うつもりかを質問。麻生首相は補正予算成立後に政府・与党に検討を指示すると述べるに留まった。与謝野経済財政担当大臣は、定額減税を盛り込むことは政府・与党内で合意済みとしながらも、与党の税制調査会の議論を踏まえ平成20年度中に実施できるようにしたいと答弁。「この臨時国会ではその景気対策は出てこないということか」と確認する福山議員に対して、財源問題もあり会期末までに議論をまとめる時間はないとの見通しを示し、麻生首相もこれに同調、公明党の幹部らが2兆円規模と主張する財源についても何ら根拠がないことも明らかになった。

 福山議員は「衆議院の政権公約(マニフェスト)は向こう4年何をするかを国民に示すもの」であるとして次期衆院選挙におけるマニフェストでは財源やその規模を含めて明確な方針を示すよう要請。麻生首相は「選挙の日程も決まっていないのに言われても困る」などとはぐらかし、「何をさておいても国民は景気対策を望んでいる」と強弁、これに追従するように与謝野経済財政相も「選挙が来年の9月になれば必ずお示しします」と発言した。

 次に、舛添厚労相がTV番組に出演した際、「制度の根幹は維持する」との国会での答弁に反して後期高齢者医療制度の見直しを明言したことに言及。出演当時は福田改造内閣の閣僚であったにも係らず、総裁選挙の一候補者であった麻生首相と事前に議論、確認したことを問題視。連立政権の公明党に何ら相談のなかったことも併せて指摘し、「国民に対する背信行為である」と厳しく非難した。

 また、同制度については舛添厚労相直属の私的な検討委員会および党として議論を行い1年以内での改革を行うとする政府に対して、強行採決のうえ4月から導入した経緯を改めて指摘し、選挙前に見直し案を提示し1年かけて検討するというのはあまりにも失礼な話 であると指弾した。

 汚染米の問題では、非食用米の販売に関して農水省が各都道府県の農水事務所に対して三笠フーズ紹介していたこと、汚染米を早く売るよう指示していたことなどを含め、平成19年1月の通報後立会い検査を増やしておきながら不正を見抜けなかった農水省の責任を追及。石破農水大臣は、検査体制のずさんさを認め、厳正に処分を行うと明言した。福山議員は農水省が汚染米の販売流通経路を公表したことにより風評被害に苦しむ業者からの一通の手紙を紹介。事前に回収し使用していないにもかかわらず、名前を公表されたがためにマスコミ各社から尋問のような屈辱を受け、報道後売上げがゼロに陥ったとの現状を報告、「困っているのはお金ではなく失った信用である」という悲痛な声を取り上げた。石破農水相は何の法的根拠もないままに関連企業の名称を公表したと反省の意を述べ、風評被害に対してはその信用回復に向け全力を尽くすと約束。しかしながら麻生首相は「一義的な責任は業者」とする認識を改める姿勢は見られなかった。

 最後に、中国製冷凍インゲンから有機リン系殺虫剤が検出、被害が出ていることにも触れ、食料品の輸入の検査体制の再検討、中国政府への要請など国民の安全確保に向け体制の構築を強く求めて質問を終えた。
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