民主党『次の内閣』は15日午後、国会内にて閣議を開催。これまで協議を重ねてきた民主党の金融危機対応案をとりまとめた。
冒頭挨拶に立った菅直人『次の内閣』ネクスト副総理大臣(代表代行)は、民主党の金融政策は、世界的金融危機の中、これまでの経験を活かし対応できていると評価。先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)を含め政府が協議している対応策は民主党の金融対策チームでとりまとめてきたものにかなり近づいてきているとして、与野党でより良いものをつくることで国民の安心につながればいいと語った。この金融危機は実体経済を含め今後も世界、日本に影響を及ぼすとの見通しを示したうえで、小沢代表が代表質問の所信表明で提示した「5つの約束」自体が中長期的な対策そのものになっているとして、これを掲げて解散・総選挙に臨む姿勢を強調した。
直嶋正行ネクスト官房長官(政調会長)は、衆議院で17日に審議入りするテロ特措法に関して、民主党のこれまでの考え方に基づき対応する方針を明示。最終的な判断を政調会長と鉢呂吉雄ネクスト外務大臣、浅尾慶一郎ネクスト防衛大臣に一任するよう求め、閣議でこれを了承した。
大島敦国会対策副委員長は、日銀副総裁を含めた同意人事案件について、21日の午前中までに各部門で意見を集約するよう要請。その結果を踏まえ、21日午後に開催予定の同意人事検討小委員会で検討するとした。
報告・協議では、金融対策チーム座長の大塚耕平参議院議員が、民主党の金融危機対応案について説明(下記関連記事参照)。今回の対策はいわば止血のためのものであり平時の経済対策・景気対策とは違うとしたうえで、(1)流動性不足対策(金融機関対策)、(2)信用収縮対策(企業対策)、(3)金融システム対策(保険契約者・預金者・投資家対策)、(4)証券市場対策など、(5)その他の留意事項(関係当局への要請等)――の5項目からなる対応案を示した。政府の対策は誰に対するものか不明であると指摘、同案は金融機関のみならず融資を減らされる恐れのある企業や家計への影響をも鑑みた救済策になっていると説明。日本銀行の独立性には配慮し、勧奨する立場での対策である点も踏まえ、意見交換の後、閣議として了承に至った。
そのほか「特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件」、「外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮からの貨物につき輸入承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件」についての措置延長をそれぞれ了承した。
|