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2008/10/29
【衆院財金委】松野議員、金融機能強化法改正案 農林中金への資本注入に疑問呈す
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衆議院財務金融委員会で29日、午前、午後に引き続く形で松野頼久議員が質問に立ち、金融機能強化法改正案に関して、公的資金枠の上限とその財源、資本注入による貸出枠拡大が本当に中小零細企業への貸出に繋がるのか、農林中央金庫へも注入されることの是非等を中心に、中川財務・金融担当大臣に政府の見解を質した。
冒頭、公的資金枠は2兆円なのか10兆円なのか、また財源は何かを松野議員が質したの対し、中川大臣は「2兆円は遣う」としたうえで、問題はどのくらい必要なのかという点だと述べ、「用意して、審査して、2兆円プラスアルファとしか今はいえない」と答弁。松野議員は「総額はだいたい決める必要はある」と問題提議した。
また、財源について「政府保証債でやる」との答弁を受けて松野議員は、「枠を決めているところでは政府保証でいいが実行するときは財源の裏づけが必要」との見解を示し、再度答弁を求めたが、政府からは2兆円という枠はあるが、それ以上に必要ということであれば政府保証の枠を広げ、手続きによって拡大することになるとの答弁が重ねて示された。
続いて松野議員は、「金融機能強化法案は中小企業に円滑な資金が出ることが目的」と改めて指摘したうえで、法案成立によって本当に中小企業への円滑な融資拡大に繋がるのか、中川大臣に質した。大臣は「条文を読むまでもなく、そういう目的でつくられた」と述べ、そのための公的資金注入だと回答した。
松野議員は「中小企業を救済し、地域経済を守るということに主眼が置かれていることは評価する」としつつも、バブル崩壊後の金融不安に対し、1998年の金融国会で成立した金融早期健全化法を例に重ねて追及。今回の緊急機能強化法案の文言よりも強く、貸出残高を増やせと明示されていたにもかかわらず、貸出残高の推移は思ったほど伸びなかったことを指摘。「今回も金融機能強化法が成立したとしてもスムーズに融資に流れるか安心できない」「銀行の破綻は心配なくなったが、中小企業への貸し出しは伸びないでは意味がない」と述べ、松野議員は数値目標を法案に盛り込むよう提案したが、中川大臣は「助かったという人の声が聞こえてくればうれしい。数がすべてではない」とするに留まった。
松野議員はまた、「農林中金もこのフレームに入れるのか」として、生産者を守りたいとの見解は一にするが、農林中央金庫が資本注入先となることに疑問を呈した。その実態について松野議員は、農林中金は農業者のための農協であるはずが、82兆円の資本がありながら、1兆3000億円しか生産者に融資されていない実態を松野議員は指摘し、生産者支援に繋がらない実態を浮き彫りにした。
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