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2008/10/31
政府の追加経済対策について(野党三党共同談話)
民主党、社会民主党、国民新党

○昨日、麻生総理は記者会見で「3年後に消費税の引き上げをお願いしたい」と明言した。小泉政権以来の9兆円超の負担増で厳しい局面にある国民生活を全く無視した発言であり、一度限りの効果無きバラマキの対価として消費税の恒久増税を国民に押しつけることは認められない。また、この消費税増税宣言によって同時に発表された追加経済対策も意味を失った。

○麻生政権が生活者の視点を失っていることは、今回の追加経済対策の中で、国民が最も不安に感じている医療、年金などにほとんど触れていないことにも如実に表れている。国民生活の安心を取り戻すための喫緊の課題は、年齢で国民を差別する「後期高齢者医療制度」の廃止、医師不足の解消をはじめとする社会保障費2200億円抑制方針の廃止、年金記録問題の徹底解明と迅速な被害者への補償、障害者自立支援法の廃止などである。政府は「生活対策」を標榜するが、国民生活に対する認識が根本的に欠けている。

○追加経済対策の目玉とされる「定額給付金」は、中身も財源も効果も全く不明確なまま「2兆円」だけが喧伝されており、明らかな「選挙対策」である。これを具体化する補正予算の提出時期も未だに不明確であり、政府内の調整不足や麻生総理のリーダーシップの欠落を露呈している。

○麻生総理は、総務相時代に地方に「地方交付税5兆円削減」を推進した張本人である。経済対策で「地方」を柱とするなら、まずは「三位一体」改革について、総括をする必要がある。その上で、今回の「道路特定財源から地方へ1兆円」の内容を、より明確な形で示さなければ、活性化どころか、地方の不安をあおるばかりである。

○わが国経済は、過度な外需依存の経済構造から内需主導へ転換する必要がある。しかし、今回の経済対策に盛り込まれた「1回限りの子育て応援特別手当」は内容が不明であり、「曜日・車種・ETC限定の高速道路料金引き下げ」はかえって渋滞や過重労働を招く可能性がある。このような場当たり的な政策では、わが国の経済構造の転換はできない。

○麻生総理は「3年後の消費税増税」に言及することで、基礎年金国庫負担引き上げの財源から逃げている。来年度の基礎年金国庫負担引き上げは法律に定められた事項であり、政府はこれを実現する責務を負っていることから、その財源を速やかに明確にすべきである。

○総理は総選挙の時期を明確にはしなかったが、「100年に1度の危機」と言われる厳しい局面を打開するためには、民意を受けた正統な政権が必要である。麻生総理が消費税引き上げを言明した以上、与党はその具体的な政策を速やかにとりまとめ、国民の審判を受けるべきである。2代続けて政権を放り出し、その後釜として、民意を受けないままに就任した総理が、消費税増税に突き進むことは認められない。

以 上
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