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2008/11/04
国民の目から隠す行政の姿勢は政治全体の信頼損なう 小沢代表




 小沢一郎代表は4日午後、党本部の定例会見で、田母神・前航空幕僚長の更迭問題に関連して「国民の目からなるべく隠そうという行政の姿勢があまりにも昨今目立ちすぎる」と指摘、政治全体の信頼を損ないかねない自公政権の体質を批判した。

 小沢代表は、政治家自身が問題の本質に正面から向き合わず、幕僚長を更迭・退職させることによって、むしろ積極的な幕引きを図ろうとする事態を遺憾だとして、「一空幕長うんぬんの問題以上に、政治全体の信頼を損なうものであり、今日の自公政府の体質を表しているのではないか」と述べた。

 また、「大きな職責の中にある者が、具体的な政治問題について発言するということは、良からぬことだ。軍人が政治に干渉し、結果として過ちを犯した事実を、日本国民は改めてきちんと思い浮かべ認識しなくてはいけない」などとして、国民に選ばれた政治家が、その政治の責任で物事を決定していくというシビリアンコントロールの要諦に言及。余計なことを言ったから更迭して退職させた、として済ませる話ではないとした。

 小沢代表はさらに「武装集団たる自衛隊、軍は、国民によって選ばれた政府の判断に従えばよいのであり、その時々の政治情勢にうんぬんする必要はなく、すべきでない。政府が変わったら、国民が選んだその政府の指示に従えばよいのであり、そのことの理(ことわり)をきちんと分からない者がいることは、国の行く末にとって非常によろしくない」と述べ、この根本について、麻生首相以下、政府与党の要職にある者は真剣に考えるべきだとした。

 次期総選挙候補者の活動の取り組み方については「楽をして自分の思うようにいけることはない。ましてや国政の選挙で、主権者たる国民の皆さんの信頼を勝ち取るには、それなりの懸命な努力が必要だ」と指摘。自公政権に対する不信感、不満は今後も変わることがないが、風が吹いてくるのを待つようならば、候補者の資格はそもそもないのだとして、「運動する期間が増えた、国民に接する機会が増えたという理解で頑張る」という精神で活動するよう求めるとした。
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