ニュース
ニュース
2008/11/07
【参院本会議】金融機能強化法改正案審議入り 富岡議員が質問




 7日午前の参議院本会議で、金融機能強化法改正案と保険業法改正案の趣旨説明と質疑が行われた。民主党・新緑風会・国民新・日本の富岡由紀夫議員が、麻生首相はじめ関係大臣に質問した。

 富岡議員は「今まで政府は日本経済を立て直すために一体何をやってきたのか。全く成果が得られていない。政府の基本認識は、日本経済が停滞する本質的な原因をとらえていないことを露呈している。効果の少ない経済対策にこれ以上、日本国民は付き合いきれないと感じる」と主張。

 本当に国民から評価されている自信があるならば今すぐ衆議院を解散し、国民の声を聞くべきだとしたが、首相は解散時期について様々な点を勘案して判断すると述べるのみだった。

 航空自衛隊の田母神前幕僚長の論文問題にも言及。政府見解と異なる言動を行う者を自衛隊幹部にした任命責任、組織的な論文応募、懲戒処分ではなく退職扱いとしたことを挙げて「日本のシビリアンコントロールを揺るがす極めて重大な事件だ」と指摘した。

 麻生首相は「村山談話は基本的に踏襲する。集団的自衛権が憲法上許されないという立場も変更していない。武器使用基準の変更も現在のところ考えていない」などと前提を示した上、「この論文は、自衛隊が厳格な文民統制にあることや航空幕僚長という立場を踏まえれば極めて不適切だ」と答弁。政府は文民統制に万全を期すよう全力を尽したいと述べた。

 雇用対策に関しては、内需の拡大と中小企業の業績回復、求人の増加が問題の本質だと指摘、「下請け企業、従業員を大切にする経営こそ今の日本に必要だ」と述べた。首相は、生活対策の施策は雇用対策と内需拡大による確実な経済成長に資するとした上、賃金を引き上げるための環境づくりや下請け取引の適正化の政策により、下請け企業や従業員を大切にする経営者を応援するとした。

 金融機能強化法改正案については、政府保証枠の考え方や新銀行東京、農林中央金庫の問題を取り上げた。保険業法改正案については、大和生命保険の破たん問題を質した。また、ごく一部の人が莫大な金融資産を占有している米国を例にして、日本の一般国民に投資を奨励してきた政府の態度や、投資にともない銀行預金が減少し、株式市場で資金調達がしにくい中小企業への融資も一段と減る可能性を指摘して、説明を求めた。麻生首相はこれらの重要な課題について、施策を迅速に進めて金融経済の安定強化をはかるとした。
記事を印刷する