2000/11/02
健保法、医療法改正案で釘宮磐議員が反対討論
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政府が提出した健康保険法、医療法改正案が2日の衆院本会議で賛成多数で可決、参院に送られた。本会議では民主党・無所属クラブの釘宮磐議員が反対討論を行った。
釘宮議員は、冒頭で前日の衆院厚生委での強行採決に強く抗議。法案についても、先の通常国会に提出しておきながら、解散・総選挙が目前に迫ると、負担増に対する国民の批判がおよぶのを恐れ、国会審議を先送りした点に触れ、場当たり的な与党の体質を厳しく批判した上で、本論に入った。
まず、健康保険法等改正案については、「日本医師会の意向を受けた、改革の理念なきつじつま合わせに過ぎない」と批判。急速な高齢化の進展に伴う医療費の高騰に対する有効な対応がなされておらず、当面の財政対策に終わっていると指摘した。
その上で、反対理由として(1)高齢者医療などの抜本改革を先送りして、国民に負担増だけを押し付けている(2)改正内容が場当たり的な朝令暮改の繰り返しで、制度を複雑化し国民に混乱をもたらす(3) 高額医療費制度の見直しは、診療報酬の引き上げ等によって新たに必要となった費用を患者負担増で賄うために導入したもの――をあげた。
また、医療法等の一部改正案については「医療サービスの受け手、すなわち患者の立場に立った制度改正が、当初考えていたところから後退した」として、 (1)看護職員の配置基準が検討当初は患者2・5人に看護職員1人とされていたのが、患者3人に1人と改められた(2)諸外国と比べ立ち遅れていると指摘されてきた精神医療の療養改善について触れられていない(3)カルテの情報開示について結論を見送った――の3点を指摘した。
最後に釘宮議員は、今回の審議では、与党推薦の参考人からも「このままでは保険制度そのものの崩壊を危惧する」という意見が述べられたことを示し、抜本改革は絵に描いた餅になってしまうとして、反対討論をしめくくった。
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