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2002/03/19
河村議員、シュヴィマー欧州評議会事務総長と懇談


 民主党の河村たかし議員は19日、東京都内で来日中のヴァルター・シュヴィマー欧州評議会事務総長と懇談。国民共通番号制における問題点について意見交換した。

 河村議員は昨年、フランスで開催された欧州評議会議員会議第10回OECD活動拡大討議に、議員派遣団の一員として参加。同会議で採択される決議案に「国民に対する共通番号制度を導入することのないようにすべきである」という一文の挿入を求める提案を行った。採決の結果、反対が賛成をわずかに上回り、提案は受け入れられなかったが、今後議論していくべき重要な問題だとの認識は共有され、日本代表団が資料を提供。今年のOECD活動拡大討議に本件が取り上げられることとなった。

 今回の懇談は、河村議員が来日中のシュヴィマー事務総長に国民共通番号制の最近の動向などをめぐる意見交換を申し入れたもの。河村議員は懇談で、「国民に対する共通番号制度の導入は、行政機関がそれを一元的に管理できるようになるため、個人情報の流出等による人権侵害が発生する危険性が大きくなる」と指摘。同時に、国家の管理が強まることは自由主義経済、民主主義を揺るがす危険性をはらんでいると問題提起した。

 河村議員はまた「拡大議員会議は、OECDおよび欧州評議会加盟国に対して、現在OECDが進めている電子商取引におけるプライバシー保護の研究で得られた成果を活用しつつ、行政が国民に付する番号は運転免許証制度など限定目的のもののみにするよう呼びかけるべきだ」と提案。さらに、「共通番号制度およびICチップの入った国民登録証制度の導入が国民にもたらす危険性を認識すべきだ」と主張し、国会議員として日本の国民のためにもこの問題を追及していきたいとした。

 シュヴィマー事務総長は「治療を受けた際の診断情報など、役立つ情報は共有化していき、一方で情報の乱用を防ぐ規制とのバランスを整えていくことが政治家の使命」として、河村議員の考えに賛同する姿勢を示した。
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