民主党『次の内閣』は3日午後、国会内にて閣議を開催。政府・与党が追加の経済対策の裏づけとなる第2次補正予算案の今国会への提出を見送る中、民主党としての経済対策関連法案(下記関連記事参照)をとりまとめ、閣議として了承した。
冒頭の挨拶で菅直人『次の内閣』ネクスト副総理大臣(代表代行)は、深刻化する雇用情勢を踏まえ民主党緊急雇用対策本部(本部長:菅直人代表代行)を設置したと報告。麻生首相が党首討論において一次補正予算案で当面の経済、雇用対策は十分との見解を示したことに言及し、「年末にかけてそれでは済まない事態が進んでいる。そういう中で自らが政治空白をつくっている政権が本当に必要なのか。今の政権が存在していることが最大の政治空白であり、国民生活へのマイナスになっている」と指摘。『次の内閣』の閣僚に対して、「大いに頑張ってほしい」と呼びかけた。
鳩山由紀夫ネクスト国務大臣(幹事長)は、国民の生活を省みない麻生政権は末期症状であるとして、「こんなときこそ国民のための政策づくりを着々と行う民主党の姿を国民に見ていただくことが大事であり、一層ご奮闘いただきたい」と求めた。
報告・協議事項では、直嶋正行ネクスト官房長官(政調会長)がまず、民主党緊急雇用対策本部の設置および役員構成を改めて報告、閣議として確認した。また、経済対策関連法案に関して、前回の議論を踏まえた改訂版を説明、方針内容を了承した。
法案等の取扱いでは、長妻昭ネクスト年金担当大臣および法案担当の津田弥太郎参院議員が、「厚生年金保険の保険給付及び保険料の納付の特例等に関する法律の一部改正案(年金記録回復促進法案)」について説明。厚生年金保険の保険料を天引きされた事実等の判断、事業主等に対する特例納付保険料の納付の勧奨等の方法を変更することで、現在あっ旋率がわずか40%である第三者委員会のあっ旋状況を改善、年金記録被害者の記録の回復を促進するとの法案内容を了承、他党との調整を含め今後の取扱いは直嶋政調会長に一任することとした。
そのほか、「非正規労働者等の労働条件の確保に関する法律案」、「障害者自立支援法及び児童福祉法の一部改正案」をそれぞれ民主党の議員立法として取り組んでいくこととした。
閣議後の会見で直嶋政調会長は、経済対策関連法案を発表。急速な実態経済の悪化に対応するため、(1)生活を守る経済対策(内需拡大策)、(2)直面する課題への対応、(3)補正予算案で実施すべき緊急対策――の3つの柱からなる同関連法案に関して、今国会に提出し、早急な成立を図っていくと話した。
また、閣議において「緑の内需」構想について活発な意見交換を行ったことを報告。地球温暖化対策を起爆剤に生活・経済再建を進めていくとの観点から、雇用を守ると同時に技術を支援する政策実現に取り組んでいく方針を確認したことを明らかにした。
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