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2008/12/04
麻生政権の存在自体が、政治の混迷の原因 会見で菅代行




 菅直人代表代行は4日午後の定例会見で「麻生政権の存在自体が、政治の混迷の原因になっている」と指摘し、一日も早い身の処し方を首相自身が考える時期に来ているという見解を示した。

 冒頭、同日に行ったネットカフェの視察と雇用対策本部の第一回会合に言及し、厳しい雇用情勢をふまえて、社会的なセーフティネットを敷くことを急がなければならないと指摘した。また、雇い止めをされている中に、契約期間は残っていながら中途解雇している事例がかなり含まれることを挙げて「よほどの理由がない限り許されない行為だ」という認識を述べた。

 菅代表代行は、正規雇用の労働者の場合は判例で整理解雇に関する4要件が確立しているが、派遣や期間限定の雇用ではほとんど無視されているか存在していない状況だとして「そういうことを許さない、認める必要がないと周知徹底しなくてはならない」と語った。契約期間が切れて再雇用がない場合についても、できるだけ企業側に雇用を確保する努力を求める必要があるとの考えを示し、雇用調整助成金などの給付で実質的な雇用継続をはかったり、職業訓練期間中の収入や生活を保障したりなどの緊急的な対応を求めるとした。

 麻生総理が10月30日に発表した生活対策に「雇用のセーフティネット」という項目が盛り込まれていることにも言及。「今起きていることに目をつむって、2次補正の提出を伸ばしていることが、特にこの面で如実に表れている」と批判し、民主党としては法案提出や政策提案を行い、年内にきちんとした対応を行うように政府・与党に求めるとした。

 来年度予算案の編成を見通した政府与党内の経済財政の議論については「本当に訳のわからない状況になっている」として、運転席に座った麻生首相がハンドルを離し、助手席や後部座席の与党関係者が右だ左だと言って車体を揺すぶっている状態に例えた。

 菅代表代行は「このままで行くと、本当に崖っぷちから落ちてしまうことになりかねない。麻生政権の存在自体が、政治の混迷の原因になっている」と指摘し、将来の方向性が一つとして見えず、責任も果たせない状況にある以上は、一日も早い身の処し方を首相自身が考える時期に来ているとした。
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