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2008/12/08
地方分権改革推進委員会「第2次勧告」に対する談話
民主党 分権調査会長
玄葉 光一郎

本日、地方分権改革推進委員会は麻生総理に対して、国の出先機関及び義務付け・枠付けの見直し等に関する勧告(「第2次勧告」)を行った。

本勧告は、義務付け・枠付けの見直しについては一定の評価ができるものの、国の出先機関の多くの事業は国の事業として存続させることとしており、地方分権と言うには不十分な内容である。例えば、地方に移譲する直轄国道や河川については、「第1次勧告」で「第2次勧告までに具体案を得る」としていたにもかかわらず、本勧告は結論を先送りし、農地の改良事業の移譲についても検討事項にとどめた。また、地方整備局・地方農政局・経済産業局などを束ね、ブロックごとに「地方振興局(仮称)」や「地方工務局(仮称)」といった巨大な出先機関を創設するとしているが、大半の事業を国に残したままの統合では国の力がかえって強まり、地方分権に逆行するものとなりかねない。

 本勧告は地方の力を過小評価し、官僚と族議員の力を過大評価したものと言わざるをえない。今年2月には全国知事会が、地方整備局の国道事務所については「真に国が責任をもつべきもの等を除き地方に移譲し縮小・廃止することができる」、地方農政局については「大半の業務を地方に移譲することが可能」である、と提言している。地方が広範な事業を担う能力と気概を持っていることをもっと前向きに捉えなければ、地方分権は進まない。

 麻生総理は11月6日、同委員会委員長に対して、地方整備局等を「基本的に廃止」するよう指示したと伝えられたが、総理の言葉は「廃止」から「統廃合」にあっけなく変わり、お決まりの迷走ぶりが繰り返された。地方分権改革推進委員会の踏み込み不足も、麻生総理の指導力不足に最大の原因がある。地方を縛る権限を手放したくない霞ヶ関の抵抗を排して真の地方分権を実現することは、自公政権にはできないことも明らかであり、今回の勧告内容ですら、実行されるかどうか、心もとない。

 民主党は政権交代を成し遂げ、国と地方の役割を抜本的に見直す。その精緻な見直しの中で出先機関を廃止・縮小して国と地方の二重行政を解消し、真の地方分権国家を樹立する。

以上
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