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2008/12/11
【参院財金委】金融機能強化法修正議決 大塚議員が質問、円議員が修正案提案




 麻生首相が出席のもと開かれた11日午後の参議院財政金融委員会で、円より子議員に続いて大塚耕平議員が質問に立ち、金融機能強化法改正案について議論した。質疑終了後、討論・採決に移り、円議員が同法案の修正動議を提出。同法案は修正議決され、保険業法改正案も賛成多数で可決された。

 大塚議員は、金融機能強化法改正案の修正案について「今の法体系と矛盾がなく、個別の銀行を特定するわけではない」と説明。それにもかかわらず整合的な修正案に賛成せずに、3分の2の再議決という憲法上の重要な権能を行使することが本当に適切かと疑問を投げかけた。麻生首相は「そういう見解をお持ちということだけは理解する」と答えるのみだった。大塚議員は「結果は議事録と日本の憲政史に残る。そのことを重く受け止め、その後の対応をしたい」と語った。

 大塚議員はまた、金融機能強化法のあとに次の一手として何を考えるのか、建設的に議会の議論の中でアウトプットを出したいと主張。中小企業向け緊急保証制度における業種規制の撤廃、セーフティーネット保証制度の利用者も適切な審査に通れば1次補正で導入された緊急保証制度を使えるようにすることを提案し、麻生首相、中川財務大臣の見解を質した。

 さらに大塚議員は、各金融機関がこの保証制度を使って既存融資を借り替えさせることを厳に禁止するか、そのように指導するかが必要であると指摘、中川財務相は「趣旨に反する。改めてそういうことのないよう周知する」とした。大塚議員はしっかりとした対応を求めたうえ、メガバンクが増資を決めた際、取引先企業に増資引き受けを要請するのが常だが、優越的地位の乱用にあたるように見えるかたちの要請も慎むよう指導すべきだとした。首相は、優越性を利用して一方的に何とかしろということをやってはいけないのは当然だと答えた。

 このほか農林中金への出資やエマージェンシー・プランの策定について議論し、景気対策のミッションを果たすよう首相に要請した。

 各党による質疑の後、討論・採決に移った。円議員が金融機能強化法改正案の修正案を提案し、採決したところ可否同数につき、峰崎直樹委員長が可と決定した修正部分を除いた原案全部については賛成多数で可決となったため、金融機能強化法改正案は参議院で修正議決された。保険業法改正案は賛成多数で原案通り可決された。
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