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2009/02/02
主食米価格の暴落防止しつつ、かつ水田では米を作る!
〜事実上の減反廃止〜
民主党『次の内閣』ネクスト農林水産大臣
筒井 信隆

1.現在、米の消費量は年間800万トン前後ですが水田で主食米の生産を規制緩和し自由化すれば、消費量を大幅に超える生産がなされ、あるいは1200万トン前後の供給がなされることとなり、主食米価格の暴落は確実です。その観点からだけみれば、主食米についての生産調整(減反=転作)が必要です。しかし同時に、水田では米を作ることが最も自然条件に合い、世界の食料事情も農家もそれを望んでいます。その観点からはすべての水田で自由に米を作れること、生産調整(減反=転作)の廃止が必要です。以上の矛盾する2つの観点をいかに統一するかが課題です。

2.(イ)民主党の米政策は主食米については消費量に照応した生産数量目標を設定してそれに従った農家を所得補償の対象とするものです。主食米についての生産数量目標設定は広義では主食米の生産調整(減反)と言えます。同時に米粉米、飼料米、バイオ米を最大限生産し、それぞれの価格で販売してもらう――そうすると主食米と比べて大幅に農家の手取りが減少するからその差額の7〜8割程度は所得補償で補てんします。現在小麦も飼料もほとんど輸入に頼っていますがその一定部分を米粉米等で代替すれば事実上減反は解消し、食料自給率も大幅に向上します。

 以上によって主食米の需給量を照応できる上に、水田では米を作るという一見矛盾する2つの要請を同時に達成できることになります。
 (ロ)なお、主食米の生産目標数量に従うかどうかは農家の自由意思によるものであって、所得補償の対象者となるか、ならないで自由に主食米を生産するかは自由な選択に委ねられます。そして民主党は所得補償政策に集中した農政を行うものであって米価支持政策は行わないのを原則としています。

3.(イ)以上が現時点での民主党の米政策です。朝日新聞の社説は上記の説明を受けていながら上記の一面のみを取り上げているもので著しく不正確です。(ロ)将来的には米消費量が以前のように国民1人当たり年間120キロに倍増したり、あるいは米価が現在の3分の1位になっても農業生産が持続可能になる程度の所得補てんが可能な財政状況・国民世論状況になったり、あるいは米生産コストが3分の1以下になれば、主食米についての生産数量目標設定も必要なくなるし、民主党もそれを目指しています。

以 上
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