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2009/02/09
【衆院予算委】少子高齢化対応関連事業こそ内需拡大に繋がると強調 枝野議員




 枝野幸男議員は9日午後、衆議院予算員会における景気と雇用に関する集中審議で質問に立ち、100年に一度という経済危機においては少子高齢化政策こそ内需拡大策に繋がると主張、経済政策の転換を迫った。

 冒頭、枝野議員は麻生首相が福井県での8日の講演で、日本の経済情勢について「欧米に比べそんなに大変か、欧米諸国に比べて大変じゃない」と発言したことを取り上げ、楽観できる状況か、日本の主軸産業、日本の経済の中心を占めている輸出関連産業が米国の消費が落ちたことにより深刻な状況にあると指摘。首相自身が全治3年という経済情勢を、どのようなプロセスで立ち直らせていくのかと質した。

 麻生首相の「基本的には内需拡大策」との答弁に同感としたうえで枝野議員は、可処分所得、貯蓄率が低下するなかで消費拡大を進めるため、具体的な内需拡大策を質問。麻生首相は住宅ローンを過去最大規模で実施するほか、1500兆円の個人資産が投資、消費に変えられるようにすべきと主張、総額75兆円の経済対策を行うと答えた。

 枝野議員はこれを受けて、国民金融資産を切り崩し、消費に回さない限り消費が増えることを短期的には期待できないとの見解を明示。国民金融資産所有者全体の8割が60歳以上である実態を踏まえ、高齢者のためのサービス事業を充実させることが将来への安心を生み、結果として消費が拡大するとの考えを述べた。

 枝野議員は、特別養護老人ホームでは約40万7000人の入所者に対して入所希望者が約38万5000人もいるとして、将来の不安を抱える状況下で高齢者は貯蓄を切り崩せないと指摘。医療・介護制度を充実させることが高齢者の消費を促すとともに施設をつくる、雇用を生むことで内需拡大に繋がると持論を展開した。

 舛添厚労相も、「セーフティネットを張ることが消費拡大につながることは確か」と同調。一方、麻生首相は、「医療・介護政策は社会政策として考えているので経済対策の面から考えたことはない。老人問題を経済対策として考えるべきでない」と答弁、100年に一度といわれる経済危機のなか従来型の経済では通用しないとして、枝野議員は「麻生首相の時代遅れの認識ではこのような問題に対応できない」と指弾した。

 これに関連し、介護労働者の多くがやりがいを感じながらも重労働に加えて安い報酬により長くは続けられない実態に言及。この不況下では大企業においても賃金を上げられる状況ではなく、消費拡大、内需拡大のためには高齢者が将来を安心できる医療・介護対策を急ぐ必要性を強調、雇用政策としても考えても高齢化及び少子化対応の関連産業以外に大量の受け皿になるところはないとの考えを示した。

 また、昨年の保育所待機児童2万人、学童保育待機児童が1万3千人にも触れ、間違いなく入れるという状況をつくれば少子化に相当程度のブレーキがかけられるとして、待機児童をゼロにする必要性を指摘。医療・介護サービス、育児サービス関連の事業を強化することで公的資金が人件費、給与として回り、内需拡大、消費拡大に繋がるとして、時代の転換にあわせて税金のつかいかた改めるべきだと重ねて主張して質問を終えた。
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